メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

よしなし

松本大洋「Sunny」、言葉と居場所と

久々に読んだ松本大洋の漫画、「Sunny(現在5巻)」が素晴らしい。1970年代の児童養護施設を舞台に、そこで生活する《それぞれの事情によって親と暮らすことができない》子どもたちや、彼らをとりまく大人の姿が、生き生きと細やかに痛々しく、でも温かく描…

がんばらなくていい本のアプリ「Stand」を使ってみました

このところいろいろなメディアで取り上げられているアプリ「Stand」を使い始めた。 本のアプリStand Takayuki Inoue ソーシャルネットワーキング 無料 これまでに読書(管理)系のSNSだと、ブクログやメディアマーカー、読書メーターなどに手を出しては長続…

ヘミングウェイのあれが食べたくて

少し前に、小説に出てきた食卓を再現した本を紹介した。 Dina Fried『FICTITIOUS DISHES』、憧れのあの味そしてあの「奇妙な味」も - メトロガール まったくおいしくなさそうな「迷食卓」も混ざった面白い本だったけれども、この中でひときわ食欲をそそった…

「いっそ犯罪ならば」

このたび一周忌を迎えた父の死因は肺がんだった。長年のヘビースモーカーで、死の数年前に禁煙に成功したところだったが、いざやめるとなると特段の禁断症状もなかったようで「もっとはやくやめればよかった」と呟いていた。彼の肺がんは非喫煙者にも多く発…

角田光代、穂村弘『異性』、(そして不要な自分語り with alcohol)

誰よりもわたしをよく知っている友人から少し前に「絶対読んで」と勧められた。 異性 (河出文庫) 作者: 角田光代,穂村弘 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/11/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 人が人に恋するには「隙」が必…

あなたの名前は「ピコリーノ」、お洋服を着た「ピコリーノ」

少し前に「はてなブックマーク」で、小鳥のついた柵の商品名が「ピコリーノ」ということを知った。 なんだかこれ見覚えあるなとフォルダを漁ったところでてきたのが、冒頭の写真。確か江ノ島で撮ったんだっけ、と思ったら、こんなまとめがありました。 愛情…

「難しい小説」って、なんだっけ?

埴谷雄高『死霊』を読みはじめている。少し前にKindle版が20%割引されていたので、つい買ってしまった。惑わされないつもりでいても割引というのは魅力的な制度で、そうでもなければ他にも手をつけるべき本は山ほどあるにも関わらず、あえて時間のかかりそ…

新しい宗教が生まれるところ

慢性的な肩こりと腰痛に悩まされていた時期に、あるマッサージ師を紹介された。紹介してくれた人も、もともとは別の友人に誘われて通い始めたのだという。マッサージなどつてを頼らずとも施療院は巷にあふれているわけで、行ってみようと思った理由は何より…

二度目のパリは夜明け前

二度目のパリは出張だった。 夕方に着いて、パリなんて飽き飽きしているはずの上司がやたらシャンゼリゼに行きたがるから妙だと思ったら、パリサンジェルマンのショップで息子さんたちにレプリカユニフォームを買いたいのだという。「人気のある順に、3枚」…

「風邪の治りかけの咳」が「風邪」ではなかった話

出張帰りに風邪をうつされた。機内の通路をはさんで激しく咳き込んでいた男性(CAからしつこく「いつからですか、熱はありますか、どこに行かれましたか」と聞かれていたのはきっとエボラへの警戒)が感染源というのは決めつけに過ぎないけれど、疲れ果てて…

口紅の消費とおかんメイクの謎

口紅をなかなか使い切れない。ルージュココの赤っぽい色は、気に入って毎日のように使っていたけれど、使い切るまでに1年半もかかった。たまにしか使わなかったクリニークのコフレに入っていたローズのリップは、ミニサイズなのに4年はかかったっけ。紅筆…

それで、まあそんな感じで

ちょっと音楽に詳しい友達はデスキャブなんて鼻で笑っていたけれども、わたしは青臭いインディーロックがいつだって大好きで、本当安っぽいくらい青臭いよねと呆れながら、これからもきっとずっとこういう音から離れられないままでいるんだろう。今も、数ヶ…

さようなら、ロビン・ウィリアムズ

あの頃、わたしの住む町で子どもたちにとって映画館は「ハレの日」のものだった。ビデオレンタルは旧作でも一泊400円くらいして、しかも品揃えは貧弱。そんな幼少時代を過ごし、中学生になった頃から、ときどき「街」にある映画館に出かけるようになった。も…

ロンドンでモンティ・パイソンを観る(Appendix)

ツアーブックはこんな感じ。A3サイズでけっこう大きい立派な作りだけども、暖かいところにおくとノリがはみ出てくるのはご愛嬌? 20£と決して安くはないお値段で、購入すると物販リストのブローシェがついてきた。物販を(一部ですが)見てみましょう。わた…

ロンドンでモンティ・パイソンを観る(その3)

後半です。長いです。

ロンドンでモンティ・パイソンを観る(その2)

さて、続いては本編(前半)についてのメモ。聞き漏れ聞き間違いについてはご容赦ください。 スケッチのタイトルからYouTubeへのリンクを張っていますが、これはテレビシリーズやハリウッドボールの映像を紹介しているもので、O2公演のネタバレではありませ…

ロンドンでモンティ・パイソンを観る(その1)

2014年7月にロンドンO2アリーナで行われたモンティ・パイソンの再結成ライブにして(現時点では)解散公演。その最後の2日間、19・20日を観に行って来た。18日の夜、ヒースローのパスポート・コントロールで、滞在4日(実質3日間)という日程に対して「…

甘いものの話、もうひとつ

甘いものの話をもうひとつ。スイスに行く機会があった。湖のほとりにあるあの街。あわただしい滞在で、いかにもな名物料理を食べられたのはたったの一度だった。そもそもスイス名物ってチーズフォンデュくらいしか知らないのだけど。そのチーズフォンデュも…

「The Particular Sadness of Carrot Cake」

少し前に、仕事で近くに行ったので、麻布十番の「ハドソン・マーケット・ベイカーズ」に寄った。ずっと気になっていたアメリカンケーキのお店で、行ってみると様々なケーキやクッキーの他に、トルコ菓子をアレンジしたもの(蜜に浸したケーキ!)などもあり…

大西洋を見た

この日、わたしは初めて大西洋を見たのだった。 海辺での結婚式が美しくて見惚れた。ずっとずっと先には別の大陸があって、かつて、そこからたくさんの人が運ばれてきた。数日後に立ち寄ったCivil Rights Museumで、ほんの数十年前まで、このビーチに黒人は…

月に代わって

外国語を使って仕事をしている方々と飲んだとき、ある人が、留学先で行ったジャパンフェアがほぼコスプレイベント状態で驚いた、という話をした。そこからなぜか「セーラームーン」の話題となり、かのアニメの海外での知名度について彼が、「でも、'I will p…

こんな夢を見た

死んでしまった父は、死んでしまったにも関わらず姿かたちがあって(姿かたちがあるならば、たましいと生きている人間にはどんな違いがあるというのだろう)、普段どおりに家にいて、生活している。なのにある日「でも、ずっとこんなんじゃいけないよな」と…

It's a beautiful day

母方の祖母を亡くしてちょうど2ヶ月後の3月9日、父が死んだ。肺がんによる急性呼吸不全。血のつながりはないけれど、仲良しだった2人(のお骨、遺影、位牌)は、今実家の祭壇で仲良く並んでいる。皆が出かけているときも、おばあちゃんとパパは2人だか…

He was uncool. And god, he was just so fucking beautiful.

米俳優フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなった。享年46歳。ニューヨークの自宅バスルームの床で、腕に注射針が刺さったまま倒れているところを発見された。近くにはヘロイン入りの封筒が落ちていたという。 若い頃にドラッグとアルコール依存に苦しんだ…

本当のこととそうじゃないことの境目

先日、トヨダヒトシさんのスライドショーを観る機会に恵まれた。 彼を知ったのは昨年の初夏。偶然ご一緒した人が、「写真を焼かずに、もっぱらスライドショーで上映する写真家」について熱く語っていた。「スライドショーが終わると、会場の人みんなぼーっと…

いってしまうの

お餅が好きじゃなくなった、と言ったら母はちょっと悲しそうだった。なんかさ、餅米ってもたれるんだよね。大人になって克服したものがあることはさんざん自覚していたけれど、逆に好きでなくなったものもたくさんある。母はわたしに「今度ぜんざい用に煮た…

「昇竜拳」の思い出

わたしが通っていた高校は、地方のマンモス私立。都会育ちの人にはぴんとこないかもしれないけれど、たいてい田舎では、私立高校は公立高校の入試に受からない生徒の受け皿的な位置にある。マンモス私立にありがちなことして、とにかく多彩な科・コースを揃…

髪を切る

寒くなってきたからようやく髪を切ることができた、と言うとみんなが不思議そうな顔をする。でも、暑い時期は髪の毛を結ばないとやってられないし、寒い時期は髪の毛がなかなか乾かないから、短い方がうんと楽。マフラーだって、短い髪のほうがだんぜん巻き…

カボスしごと

そういえばカボスって買ったことない。いつも気づいたら家にあるものだったので、近所のスーパーマーケットで3個158円で売っているのを見たときは、すごく変な気分になった。野菜を買うことにはすっかり慣れたけれど、カボスと、あと、柿については、お金を…

栗しごと

帰省したときのこと。実家に栗があったので、久々に栗の皮むき。わたしの家は、栗ごはんに、渋皮を少し残した栗を混ぜる。ごはんがほんのり紅く色づくのだ。サンリオキャラクターのお茶碗は、小学生の頃ホワイトデーにもらったのがいまだ実家では現役。最近F…