メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

南へ向かう

移動中、ずっと、窓の外は、ほとんど山ばかり。こういうとき、日本って結局はほとんどが田舎なんだなあと実感してしまう。暇つぶしに、書店でポストカードブックと島尾敏雄「死の棘」を購入。ドトールで友人に手紙を書き、本を読む。

久々に本格的に道に迷い、ちょっと泣きそうになる。地図を確かめていったのに、自分の居場所からの東西南北を正しく把握できなかったのが原因のようで、目標と反対方向に向かって30分近く歩いていたことが後に判明。道に迷うのには慣れているけれど、一番焦るのは、住宅街に迷い込んだときと歓楽街に迷い込んだとき。同じような建物ばかりで、完全に位置感覚をなくしてしまう。
夕方より所用の後、夜行便で帰路へ。久々の夜行に異様に疲れ、体力の低下を実感。

最近ではもう、大切なことすらきちんと頭の中に留めておくことができなくなってしまった。心が動くときの頼りなさや、喉元に焼けた石のように引っかかる感情のこと、そういう、漠然としたイメージだけはなぞることができるのに、肝心な部分、観たものや聴いたものが事実として残ってゆかない。前はもっと、何かに心揺さぶられたら、何日だって何度だって、そのことを反芻していられたのにな。

記憶が溢れてしまうことって、あるんだろうか。