メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

レディ・キラーズ|ジョエル&イーサン・コーエン

レディ・キラーズ [DVD]

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コーエン兄弟の映画には、「犯罪」を扱ったものが多いのだけれど、どれもクライムムービーとはほど遠く、小市民的な小悪党が悪事を目論むも、間抜けな展開の連続で奈落に落っこちてしまう。「ファーゴ」で、「変な顔」ことスティーブ・ブシェミ(大好き!)の足が粉砕器からにょっきりでているシーンなんて、絵面として、ものすごくシュールだし情けないし笑えるし、もの悲しい。「バーバー」だって、シリアスな作品と見せかけて、小さな欲望が雪だるま式にあれよあれよと悪い方向へ転がって行く展開は、スリルよりむしろ苦笑を誘う。

レディ・キラーズ」はリメイク作品。元の作品を知らないので真っ白な頭で鑑賞。アクの強いキャラクター設定に、満載の小ネタ、オチにいたるジェットコースター展開もすべてコーエン作品らしい。あえていえば、「らしすぎる」のが欠点で、コメディ映画としてはよくできているのだけど、コーエン兄弟の作品を観てきた層にとってはひねりがなく感じられて、そのあたりもファンの間で評価が今ひとつである原因なのかなと思う。

ちなみにこの作品と並んでファンからの評判の悪い「オー・ブラザー!」がわたしは大好きで、買った方がいいんじゃないかと思うくらい、何度も何度も借りて観た。そもそもロードムービーは好きで、さらに音楽が良いし、モチーフからの広げ方も上手いし、ああいう何の不安もない幸せな話は、ときどきとても恋しくなる。