メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

モンスター

モンスター 通常版 [DVD]

モンスター 通常版 [DVD]

シャーリーズ・セロンが、実在の連続殺人鬼アイリーン・ウォーノスを捨て身で演じたことでかなり評判になった作品。事実を下敷きにはしているものの、加害者視点の作品であるため、同情的な脚色は加えられているし、人物設定も実際とはかなり異なっている(そのあたりについては、ドキュメントDVDも発売されていて、こちらではアイリーン本人の映像を観ることもできるらしい)。

娼婦アイリーンは、人生に絶望し、自殺するつもりで最後に立ち寄ったパブで、セノビーという少女に出会う。家族にも恵まれず、誰からも愛されることなく、13歳から体を売って生きてきたアイリーンは、自分を純粋に慕ってくるセノビーに愛情を感じ、家庭環境に不満を抱く彼女とともに街を出て新生活を送ることを夢見る。しかし、旅費を稼ぐために最後に体を売った相手が、ひどいサディストだったことから、その男を殺してしまう。その後も、セノビーをつなぎとめるために、金や車を求めて次々と殺人を重ねていく。


漠然と、ウィンターボトムの「バタフライ・キス」のようなものを想像していたのだけれど、ある意味こっちのほうが悲惨。なにしろ、アイリーンがいくら献身したところで、セノビーにはまったく届いていない。セノビーが求めるものは「今の生活から連れ出してくれる誰か」であり「寂しいときにそばにいてくれる誰か」であり「お腹がすいたら食べ物をくれる誰か」であり「行きたいときに行きたいところへ車で連れて行ってくれる誰か」であり、ただ、その役割をアイリーンが負っていただけなのだから。アイリーンがセノビーを想っていくら泣こうと、セノビーにとってかわいいのは自分で、流す涙もすべて、可哀想な自分のため。まったく報われない。まあ、そのアイリーンも、同情しがたいやりかたで殺人を重ねているのだけども。
評判通り、体重激増+特殊メイクのセロンは凄かった。立ち振る舞いまで完璧。そして、セノビーを演じるクリスティーナ・リッチ。目がバンビみたいで、本当にかわいい。声もかわいい。わがまま言っても無茶やってもかわいくて、これなら振り回される気持ちもわかる。