メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

われに五月を

うっかり買ってしまった花柄の、強い風にやたらひらひらとそよぐスカートを履いて家を出る。そろそろ日傘が手放せない。蒸し暑いから、髪の毛をアップにして、前髪もピンで留めて。花の匂いと砂の匂い。浮かれたような、淀んだような、生暖かく粘度の高い空気が胸に詰まって息苦しい。胸騒ぎと苛々と。

われに五月を。

寺山修司の言葉に出会って、初めて自分の生まれた季節のことを、少しだけ好きだと思えた。十代の寺山の言葉を、十代の感性で受け止めた頃。

われに五月を (愛蔵版詩集シリーズ)

われに五月を (愛蔵版詩集シリーズ)