メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

玩物草子|澁澤龍彦

空港の売店で購入して、久々に澁澤を読んだ。中公文庫の「玩物草子」というエッセイ集。特に「神のデザイン」と題した一説は、良かった。

何の予備知識もなく、いきなり動物園に連れて行かれた子供は、やがて神経症者になってしまうかもしれない

ボルヘスの引用から始まる(こんなところも、わたしの最近の南米への傾倒と偶然にも一致していて、おかしい)文章で、澁澤は動物の姿かたちを、永遠の実在としてのイデアにのっとってデザインされたものだと断言する。観念的な言い回しだとわかりにくいけれども、つまりのところ、こういうことだ。

神さまがオオアリクイという一つのテーマに固執して、このテーマを満足させるようなエヴィデンスを集積した結果、やむを得ず誕生してきた獣ではないか、と思われるほどの奇怪な獣である。

センス・オブ・ワンダー。(元)生物屋としては、反駁のひとつもしなければいけないところなのかもしれないと思いながらも、やっぱり、動物の造形は、こういう気持ちを呼び起こす。