メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

壊れてしまった

一気に崩れ落ちるまでわたしはそれを、「何かが完成されていく途上」だと勘違いしていた。あんなに美しかったのは、「壊れていく姿」だったからなんだな。砕け散ってバラバラになった残骸を目の前にして、涙もでないままそんなふうに思った。使い古された言葉ではあるけども、やはり生きることは死に近づくことだし、必死であの人に近づこうとしていた努力すべては結局全力であの人から遠ざかることだった。そういうことだ。でもだからこそわたしは壊れていくものを見届ける。何度だって、見届ける。