メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

二都物語

木曜の夜から、Tさんとふたりで、神戸と京都へ行って来た。ひとりで出かける気楽さはないけれど、ふたりだからこそできることもたくさんある。わたしは、航空券とホテルの手配係。あとは、彼女がほとんど完璧に近い「旅のしおり」を作ってくれて、食事の計画も買い物の計画もばっちり。ふたりとも暑さに弱く体力がないため、食事をあまり楽しめなかったのが残念と言えば残念だったけれど、概ね予定通りにすべてをこなすことができた。

所詮仕入れのルートは限られているので、雑貨店やカフェ的なものは、日本全国どこに行っても内容に大差はない。けれど、町並みは違う。神戸の海の近さや道の広さには、やはり東京や福岡で買い物をするのとは違った開放感がある。

金曜日には神戸を満喫し、今日は貴船に行って来た。相変わらず川床料理の呼び込みはすごいし、観光バスもたくさん止まっている。今日なんて、結婚式を挙げていて、二人組の巫女さんがピースで写真に写っていた。でも、なんとなく、貴船に行くと、神様に会ったような気がする。いろいろなことが、すっと、クリアになる、迷いが消える感じ。川や森のせいなんだろうか。俗っぽさと神聖さが上手い具合に混ざり合っているし、その俗っぽさの種類も、下界のものとはなんとなく違っている。

古本屋でグラスの「鈴蛙の呼び声」を買った。グラスは、値段と内容を吟味しながら少しずつ買い集めているところなので、お手頃価格で手に入れられて嬉しい。まだ頭しか読んでないんだけど、赤錆色のアスターを選ぶところからはじまる恋物語というのがいい。よく似た名前の男女「アレクサンダー/アレクサンドラ」の出会いの部分で、どこかでこういう設定が、と思ったら「ヘブン」だ。フィリップとフィリッパ!

ついでに普通の本屋で、ケリー・リンクというひとの「スペシャリストの帽子」という短編集を買った。ハヤカワの「大人のためのファンタジイフェア」とやらの一冊。目次をめくると「わたしの友人はたいてい三分の二が水でできている」という一編のタイトルが目に入った。これは買うでしょう、やっぱり。