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灯台守の話|ジャネット・ウィンターソン

灯台守の話

灯台守の話

あけすけすぎるんじゃないかと思うくらいストレートに「愛」と「光」がそこにはある。

さくらんぼの性は」のなかで、犬女は愛というものをはっきりとは知らなかったし、ジョーダンですらフォーチュナータという運命の女性を通してしか、愛に触れることはできなかった。けれどこの小説の中には、燦然とした愛のかたちがくっきりと見て取れる。

例えば「愛」であったり「純粋」であったり「美しさ」であったり、そういった本来概念としてしか存在しないものに「かたち」を与えることができるのが、小説であり音楽であり映画であり絵画なのだと思う。表現するというのはきっとそういうこと。だからこれは、本当に素敵な小説だ。
父親なしに生まれた少女シルバーは母をも失い、灯台守の老人ピューに引き取られる。ピューは現実とも想像ともつかない話を少女に聞かせ、愛を説く。そして、シルバーもまた、愛を探し、語りはじめる。

新幹線の中で読みながら、何度も涙が出そうになって(実際少し、泣いた)、何度も鳥肌が立った。ジャンルが、とか、技巧が、とか口にするのも馬鹿馬鹿しくなるくらい良い小説なので、興味を持った方がいたら、是非読んでみて欲しい。

白水社のサイトで、冒頭部分の立ち読みができる。一行目から持っていかれる感じ、わかってもらえたら嬉しいんだけどなあ。
http://www.hakusuisha.co.jp/topics/09200.php