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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

中村一義くんのこと

金字塔

金字塔

今振り返ると、ちょっと好きだったのかな? と思う、高校時代のクラスメートがいた。人見知りで、ひねくれていて、やたら自分に自信のない彼と会話を交わすようになったのは、出会ってずいぶん時間が経ってからだった。彼もわたしも、フリッパーズギターが好きで、スパイラルライフが好きだった。そんなMくんが、「中村一義を聴くといいよ」と言ったのは、ちょうど「主題歌」のPVがスペースシャワーTVで流れはじめた頃だった。

正直な話100s以降の中村一義には魅力を感じなくなってしまって、今では聴くこともなくなった。

なんとなく、初期のアルバム3枚と、マキシシングルを聴きかえした。歌詞もメロディも、懐かしさを感じる前に、唇から飛び出してくる。あのころ、どれだけ聴き込んだだろう。音のひとつひとつが、想像以上に自分に染み込んでいたんだなと思った。本当に、この音楽も言葉も、わたしにとって魔法だったんだな。

当初、ライブを一切行っていなかった彼が、はじめて人前で演奏するということで(実際はその前にスヌーザーのイベントで2曲ほど生演奏をしたのだけれど)楽しみに出かけたRIJが台風で途中中止になったこと。翌年のリベンジ、2001年RIJ「犬と猫」の音源を聴いて、またちょっと泣いた。あの第一声「どーお?」の瞬間の熱狂。売り上げ自体はそうでもないはずのミュージシャンのステージに、万単位のひとが集って、知らない人同士肩を組んで、歌っていた光景を思い出した。みんなが幸せそうな顔をしていた。ほとんどすっぴんで、ジーンズにTシャツで、コンバース履いて、首にタオル巻いて、音楽がひたすらに楽しいものだった頃の自分。ライブやインターネットを通じてたくさん友達ができて、音楽がコミュニケーションツールだった頃の自分。いろんなことを思い出した。やっぱり「ERA」までの中村くんは神がかってる。

ちなみに同級生だった彼は、わたしとは正反対のタイプのクラスメートに告白されて付き合いはじめた。卒業後も交際は続き、はじめての彼女であるその子と結婚したらしい。ちょっと甘酸っぱい思い出話。