メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

いたいけなるハーモニウム

珍しくのんびり過ごす年末年始なので、ひたすら本を読もうと思ってはいるのだけれど、なかなか時間が取れない。しかも、たまにしか帰らないので、せめて一緒に過ごそうと家族団らんの居間にいると、わたしの苦手なテレビが常時大音響。本に意識が集まらない。

「競売ナンバー49の叫び」をゆっくり進めつつ、あいまに「タイタンの妖女」2周目。水星の章と最後の方をよみながら、つくづく一年の最後に読了した本がこれで良かったと思う。トラルファマドール星人も面白いとは思うけれど、ハーモニウム。どうしてこんな生き物を発想してしまうんだろう。ボアズとの関わりは当然のこととして、もうその存在自体が、いたいけなのだから。

ハーモニウムは、水星に生息する唯一の生物で、非常に原始的で単純な身体構造をしている。水星の歌(=振動)を食べる。性別はなく単体で生殖し、老化しない。感覚は、触覚しか持たない。おそらく知性というものも持たない。ただし、微弱なテレパシー能力を持つ。

彼らは弱いテレパシー能力を持っている。彼らが送信し受信できるメッセージは、水星の歌に近いほど単調だ。彼らはおそらく二つのメッセージしか持っていない。最初のメッセージは第二のそれに対する自動的応答で、第二のそれは最初のそれに対する自動的応答である。
最初のそれは、「ボクハココニイル、ココニイル、ココニイル」
第二のそれは、「キミガソコニイテヨカッタ、ヨカッタ、ヨカッタ」