メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

ごめんね、寂しくさせて

昨日のあれこれで寂しい気持ちになってしまったのか、見知らぬ人(というわけでもないのか)と深酒し朝まで語り、コーヒーを飲んでお別れをする。出会う人にめっきり年下が増えた。世の中ってこんなに年下が多かったっけ、と阿呆なことを考えてしまうくらい。少し眠ろうと思うけれどそういう気分にもなれない。勇気を出して異動の件をTさんにもメールをする。彼女は繊細な性質なので、心が落ち着くまで返事は来ないだろうと思っていたら、すぐさま携帯が鳴る。昼過ぎに待ち合わせる。

小雪が舞っているので温かいものを、と、ロシア料理店へゆく。わたしはペリメニというロシアの水餃子が大好き。あと黒パンがあれば、ほかになにもいらない。とはいえ、今日はピロシキボルシチも少々いただく。

買い物に付き合ってもらい、本屋をぶらつく。目が良くなったら読もうと思い、「死んでいる」という本を買った。角膜を痛めて以来読書はお休みしているのだけれど、案外読まなくても平気だ。今年に入って読んだエリクソンの「黒い時計の旅」が、わたしはとても好きで、むしろ読み終わった直後より今の方が好きなくらい。多分一ヶ月以上ずっと、この小説を反芻している。思い出すだけでけっこう満たされる。

コーヒーを飲みながらTさんは「大人になったから、もうあんまり寂しくないと思ったんやけど」と言って涙をこらえる素振りを見せた。「思ったより寂しいなあ」と付け加えて無理矢理みたいに笑った。わたしが、昨日同期に泣かれた話をして「困っちゃった」と言ったから、彼女にきっと我慢をさせてしまった。いつもと同じ「じゃあね」が、今日からはちょっと重い。別れがたい。

新しい部屋に置く家具や電化製品の手配に追われる。多分一ヶ月はあっという間。