メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

死んでいる|ジム・クレイス

死んでいる (白水uブックス―海外小説の誘惑)

死んでいる (白水uブックス―海外小説の誘惑)

動物学者の夫婦が、数十年前に出会った砂丘へピクニックへ行き、強盗に撲殺される。何もかもが無に帰るなか、息絶えた夫の手が、息絶えた妻の方脚に触れている。まるでそれだけが彼らの愛の証であるかのように。

細かい章立てで、いくつかの時間軸、視点が平行して進む割にはすっきりとわかりやすい構成。けれどあまり読みやすくはなかった。著者がこの作品で描こうとした「死」のかたち、それを表現するための手法なのだとわかってはいても、ひとつひとつの肉体や感情の動きを動物学的生理学的にくどくどと語るのが、個人的に鬱陶しく感じた。

夫婦の出会いのエピソードが面白かったので、それで一応は帳消し。ふたりとも自意識過剰でものすごく嫌な奴なんだけど、自分も、誰でも、あんな感じってあるから。きっと。