メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

Syrup 16gラストライブを観る

武道館へ、Syrup16gの解散ライブを観に行った。

朝家を出て、ハンカチを忘れたことに気づいた。表参道で友人と待ち合わせをしていたので、スパイラルマーケットに寄って、てぬぐいの布地の、青いハンカチを買った。

武道館、7年振りかな。でも、バックスタンドまで、こんなにみっしり人で埋まっているのははじめて。そして、わたしが今まで数百本は観てきた中で、おそらく一番美しいライブだった。

泣いたかと言われれば、泣いた。
「I・N・M」で泣いた。
「明日を落としても」で泣いた。
「パープルムカデ」で泣いた。
「SONIC DISORDER」で泣いた。
「さくら」で泣いた。
「翌日」で「Reborn」で泣いた。
五十嵐さんが何か喋るたびに泣いた。

「涙流してりゃ悲しいんか」と歌われながら、それでも泣いた。

でも、笑った。たくさん泣いたけれどたくさん笑った。笑えた。

全体を通して、美しく、あたたかく、幸福な3時間強だったのは、その場にいる誰もがhappy endingを望んでいたからで、感謝の気持ちを伝え合うための場だと考えていたからなのだと思う。ミスもあったけれど、それ以上にひたすら、気持ちが、誠実さが溢れる演奏だった。それは、多くのリスナーがかつてシロップの音楽やライブに求めていたものとは、多分違うんだろうけど。

ラストアルバムも、このライブも、素晴らしかったし、演奏的にも楽曲のクオリティとしても、精力的に活動していた頃に見劣りするとは思わない。でも、違っていた。終わるためのアルバム。終わるためのライブ。能力的なものとは一切関係のないところで、バンドとしての推進力のようななにか、シロップとしての余力というのはもう、一切感じられなかった。だから、「これだけやれるんだから、まだ解散しないで」という気分にはならなかった。ひたすら、お疲れさま、ありがとう、という気持ちだけだった。

中畑さんとマキさんには一切不安はないんだけど、五十嵐さんのことも歌わずに生きていける人だとは思っていないのだけど、それでも少しだけ怖い。4度目のアンコールの後、ステージの袖に下がって行くあの背中が、最後になりませんように。わたしはまだ、五十嵐さんの音が聴きたいし、言葉が聴きたい。