メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

ダージリン急行|ウェス・アンダーソン

予告編を観たときから楽しみで仕方なかったのだけれど、期待以上に面白かった。キャストがいい年をした男3兄弟で、しかも舞台がインド。という度を超えたヘンテコ具合のおかげで、あの小洒落た感も鼻につかない。

それにしたって、この、「メインキャストが並んだときの、気持ち悪くもしっくりくる違和感」。だからこの監督の映画は、スチールを観ただけで強く印象に残ってしまう。目的と手段がほとんど一致していない破天荒な筋書きでも、なんとなくいろいろ伝わってしまう、得体の知れない説得力も凄い。舞台がインドなのに、テイストが完全にカントリーなのも、なんだかわからないけれど凄い。村を経て空港、なんらかの精神浄化、快復がなされたと思いきや、包帯の下にはまだまだ生々しい傷が、という場面には、本当にやられたと思ってしまった。「心の旅」で家族の絆を取り戻そうとする3兄弟。でも、ここで描かれるのは結局「家族の快復」ではない。

Life goes on.

ということなんだよな、と思いつつ、カバンを投げ捨てるシーンは壮快だった。

そして何よりエイドリアン・ブロディには、こんなに素敵な人だったのかと驚く。マーク・ジェイコブスのスーツを華麗に着こなし颯爽と走る姿には見とれた。シルエットが。シルエットが美しすぎる。