メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

Crooked Teeth

友人の結婚式のとき、わたしを写した写真を数枚貰った。居並ぶ人の真ん中で、目も口も思いきり横に広がって、満面の笑みを浮かべた自分ばかりがそこにいた。いつの間にこんなに笑えるようになったんだろうと、我ながら驚いた。

外見上のコンプレックスは幾つもあるけれど、とりわけ重症であるもののひとつが「歯並びがあまり良くない」ということで、それを気にするあまりにわたしはいつからか、口を開けて笑うことをやめた。愛想がないと言われ、「笑えばいいのに」と指摘されれば、絶対におまえのためになんか笑ってやるものかと、ひときわ不機嫌になった。そういうことが多分、四、五年まえまではあったような気がする。そういえば写真に写るのも大嫌いで、カメラを向けられれば、顔を背けていたはずなのに、いつのまにか克服してしまったらしい。

人間なので髪型や体重の増減で多少の変化はあるけれど、顔立ちなんてそうそう変るものではない。しばらく考えてみたけれど、自分がなぜ、いつのまに写真が平気になったのか、こんなに笑えるようになったのか、わからなかった。