メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

蝸牛なる日々

とうとう今のわたしは殻をなくしたかたつむり。

荷物をすべて運び出し、最後に掃除機をかけ、拭き上げ、四年暮らした部屋とさよならをする。いろいろなひとと会って、もしくは電話で、はたまた手紙をもらって、これからしばらくのためにさよならをした。ときに涙をこらえたりもした。小さな贈り物を贈りまた、貰った。

そんな日々の疲れが出たのか、それとも殻を失った頼りなさからか、それとも車に乗るのに酔い止めを飲んだせいか、今日は日がな眠くてたまらない。カメラを見に行ったり、車を見に付き合ったりしたのに、ほとんど記憶がない。桜と菜の花がきれいだったことと、一面野焼きで、黒く美しい山々の眺めは、漠然と頭に残っている。

カメラを買おう。やっぱり買おう。わたしの記憶はあまりに頼りない。