メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

燃えるスカートの少女|エイミー・ベンダー

燃えるスカートの少女 (角川文庫)

燃えるスカートの少女 (角川文庫)

ユーモアとペーソスのバランスは絶妙だし、視点は冷静であくまで客観的なので、過剰な悲壮感はない。でも、なんだか、愛されない女の子の話ばかり、孤独な女の子の話ばかりだったなあ。どれも素敵で、もったいないので毎日少しずつ読んだ。

「私の名前を呼んで」。

大金持ちの女は、地下鉄で見かけた男に惹き付けられ、豪奢なドレスを引きずりながら後をつける。彼に欲望を感じる彼女(彼に欲望を感じさせたいと感じる彼女)は手を尽くすが、彼は冷淡だ。彼女のドレスを鋏で切り裂き、椅子にベルトで縛り付け、それでも淡々とテレビを眺めつづける。惨めな気持ちになりながら、彼女はそれでも帰ることができない。