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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

MoT「大岩オスカール、夢見る世界」

よしなし アートとかエンタメとか



徒歩周遊(白河→向島→浅草)

久しぶりに東京都現代美術館へ行く。常設展も、以前来たときとは展示がずいぶん変わっていた。こういうスペースの取り方をしていると、どうしても大型の作品のほうがしっくりくる。小品を楽しみつつも「上田コレクション」のなかでは、入ってまずの真っ青な空間と、最後の方にある、赤系の作品に囲まれるあの空間、これは圧倒された。

3階に上り、「明日の神話」、これが渋谷に、どんなふうにやってくるんだろう。広島に置かれることにも意味はあったのかもしれないけれど、この、ものすごいエネルギー、怒りや哀しみや、希望を持った作品が、渋谷で毎日何万もの人の目に触れ、生活に溶け込むことは、やはりすばらしいことのように思える。

企画展「大岩オスカール:夢みる世界」。最初のコーナーで、ちょっとだけ「あ、合わないかも」と思いながら、次の縦に長いスペースに足を踏み入れ、瞬時にして全身のアンテナが総立ちになるあの感じ。

長方形の、左に、巨大なクジラの骨、右に、クジラと同じかたちをした、巨大な砲弾、正面に、遠近感を強める、一枚の絵。なんだか異空間に放り込まれた気分。絵としてすごく好きだと思ったのは、次のコーナーのレントゲン的作品群と、企画展ポスターにも使用されている「ガーデニング(マンハッタン)」をはじめとした、都市や花をモチーフとしたもの。作家は、サンパウロで生まれた日系人で、ブラジル、日本を経てニューヨークで活動しているらしい。アニメやマンガと通じるところのある描線に、影や花といったシンボリックなものが映り込む。部分部分のデッサンとしてはおそらくきっちりしているのだろうけれど、作品全体の構図として、崩しているものが多いので、現実的であり、非現実的であるような、不思議なイメージ、奇妙な立体感を持つ(スケッチの展示を観ると、切り取った写真を妙な方向に張り合わせたり、そこに自分のスケッチをコラージュしたり、という作業を経て作品のアイデアを練っているらしい)。都市の精霊、亡霊、なんだかオースターの小説みたい。

小雨の中、散歩がしたくなり、ひたすら歩く。向島で言問団子を買い、ぐるりと回って浅草から地下鉄に乗る。