メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

チープでカラフルなのも好き

職に就いた頃だったか、これからはできるだけものを大事にしようと決めた。修理して使うこと前提で、その分良いものを所有することにしようと。

もともと物持ちはいい方で、今でも平気な顔をして、中学生の頃に買ったスカートを履く。お気に入りのブラックレザーのショルダーは、母が女子大生の頃にプレゼントされたものだし、愛用のセリーヌの旅行カバンはどこからやってきたのかすらわからない。元はずいぶん値の張るものだったようだけれど、わたしの手元に来た時点ですでに革がへたって、日焼けして、雨粒の痕さえも点々とついているみすぼらしい代物だった。でもそのぼろぼろ加減が気に入って手放せない。そんな風にずっとずっと大切にできるものばかりに囲まれて過ごしたいので、多少高価でも気にせず、好きなものだけを買うことにした。

でも、どうしても夏だけは、駄目みたいだ。

夏は、やたらとチープでカラフルなものが欲しくなる。「足を痛めるから、ビニールや合革の靴は履いちゃだめ」と言われて育ったのに、サンダルはどうせすぐに駄目になるからと、ついつい安くて可愛いものに手を出してしまう。パールよりダイヤモンドより、ガラスやビーズのアクセサリーが魅力的に映る。おもちゃみたいなバッグやポシェットに心惹かれてしまう。どれもすぐに壊れてしまうのに。でも、中には例外もあって、シンガポールで買った200円のブレスレットも、ベトナム製の500円のシルバービーズのポシェットも、10年経ってもまだまだ現役だったりする。

お花のサンダルは嘘みたいに安かった。横にちらっと映ってるのは、カゴバッグとすら呼べないただの青いカゴで、よっぽど売れないのか、1400円の値札が1000円に訂正されていた。何万円もするサンダルやバッグより、最近出番が多い。