メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

お台場ノスタルジー

案外雨は降り出さず、わたしは久しぶりに、ゆりかもめに乗って出かけてゆく。

大学入学のためこちらに出てきたのが、お台場の開発が本格的になったくらいのころだった気がする。当時は千葉の柏に住んでいたので、お台場に行くのにはゆりかもめではなくりんかい線(当時は「臨海副都心線」という名前だった)を使うことが多かった。フジテレビの「FACTORY」という音楽ライブを放映する番組があり、ほとんど毎週、土曜日午後はその公開録画に費やしていた。まだ、目立つものはフジテレビとデックスくらいしかなくて、駅からエスカレーターで地上に出ると、広大な、草ぼうぼうの空き地が広がっていて、ところどころで重機が整地作業に精を出していた。その荒涼とした風景が好きで、ずっとぼんやり眺めていた。そのうちゼップが開業してヴィーナスフォートができて今みたいになった。あの空き地の風景は、ほとんど思い出せない。

今日の目的はバーベキューだったので、昼間から肉を焼き、お酒を飲む。総勢三十名近く。早めに退席しなければいけないとわかっていたのに、楽しくてどんどん飲んでしまった。

夕方六時過ぎの銀座線で、周囲は買い物帰りだったり、これから食事やお酒でもという人ばかりなのに、わたしはすでに洋服にけむりのにおいを染み込ませ、出来上がった状態で、うとうとしていた。

移動先でまたビールを飲みながらライブを観ていたら、音と言葉が染み込みすぎて、うつむいて頭を振りながら、涙をこらえるだけで精一杯だった。もう電車にもタクシーにも乗りたくなくなったので、歩いて帰った。