メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

ザ・ロード|コーマック・マッカーシー

ザ・ロード

ザ・ロード

登場人物に移入できればそれでいいのか、といえば、そうじゃないような気もするんだけど、やっぱりわたしにとってこれは、とても感想を書くのが難しい部類の作品であることに間違いない。わたしは、父親の心情に踏み込むには幼すぎ、少年の心情に踏み込むには年を取りすぎている。近未来/エンド・オブ・ザ・ワールドという特殊な設定を剥いた根源的な部分で、この小説をどこまでぴったりと感じることができたかというと、あまり自信がないのだ。

核戦争か何かで、荒廃した世界が舞台だ。おそらくきっかけとなった出来事からは7〜10年といったところか。狂乱の中人々は争い殺し合い、今はもうほとんど生き残っていない。そんな中、父親と幼い息子は生き延びるたびに旅を続ける。他の人間と出会えば、奪われ、殺されるかもしれない。この地にとどまれば、もう冬は越せないかもしれない。そんな恐怖、不安を抱え、乏しい食料に死の恐怖と隣り合いながら、彼らは南を目指す。

まだ新刊で、現在進行形で読み進めている方も多いだろうから内容に深く触れることはやめておくけども、なんだろうな、「愛情」と「責任」のボーダーってどこにあるんだろうとか、そもそもそういう気持ちって誰のためにあるんだろうとか、いろいろ考えてしまった。物理的には彼が息子を守っているんだけども、結局のところ息子が彼を守って、生かしていたわけで、多分二人ともそのことはわかっているんだろう。結末について、わたしはすごく好き。父が子どもを守ろうというミクロ視点から、神の視点的なところでの、人間の善や、世界及び子どもたちへのマクロな希望にスライドする感じで。

ヴィゴじゃあちょっときれいすぎやしないかと思いつつ、映画は多分観に行くと思います。おっさん+子どもでロードムービーというだけでストライクゾーンなので。そして、いよいよ読もうかと「血と暴力の国」をスタンバイさせ、ウォーミングアップに、うどん大好きパンク歌手マチーダさんの「浄土」を読みはじめました。笑い死ぬかもしれません。