メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

ハローサマー、グッドバイ|マイクル・コーニー

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

地方空港の売店にて。こういう品揃えの悪い書店で、でもどうしても本を買いたい状況にあるとき、絶対自分は獲物を狙う肉食獣の目になっていると思う。こんな状況下でなければ手に取らない本もあるので、貴重な機会だと思う。

異星が舞台の(大好きな)ボーイ・ミーツ・ガールもので、割とわくわくしながら読みはじめた。登場人物は人間そっくりで、舞台も、生態系や自然環境の違いを除いては1800年代半ばのヨーロッパのような雰囲気。主人公ドローヴは役人の息子で、毎夏海辺の避暑地に出かけてゆく。そこで昨年出会ったブラウンアイズという少女に心惹かれていた彼は、間もなく彼女と再会し、恋に落ちる。しかし、ドローヴの両親は身分の違うブラウンアイズとの交流を良くは思わず、また戦時下の不安定な状況も手伝い、現地の官営缶詰工場の指揮を執るドローヴの父親たちと、街で暮らす一般の人々との関係も悪化してゆく。

青春小説で、恋愛小説で、SFで、戦争小説で、と序文で作者自ら大風呂敷を広げていた分、逆に薄っぺらな部分が目についてしまった。つまらなかったというわけではないし、最後のどんでんがえし(?)にはそれなりに感心したのだけど、主人公が魅力的じゃない。ヒロインが魅力的じゃない。なんていうか、心理描写が薄い中、ステレオタイプの人々が予定調和な動きを見せつづけるので、読みながら段々うんざりしてきた。設定や大筋は良かったので、もう少しキャラクターが魅力的だったら良かったのになあ。ちょっと残念。