メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

雨と雷

ちょっとだけ寄り道しようと途中下車して駅を出たときにはまだ降っていなかったのに、ほんの数十分後店に入っている隙に外は豪雨。電車よりバスで帰った方が歩く距離が少なくて済むので、昨日に続きバスで帰宅することに。途中、激しい雨に加え、大きな雷鳴と稲光がフロントガラスを突き刺し、乗客は皆すくみあがる。バス停で降りてから家までのほんの1分の距離、わたしは、自分は次の瞬間雷に打たれてもう死んでいるのかもしれないと、本気で恐れる。雷の入ったところと出て行ったところに穴が開いて、体が黒こげになるんだと、本当だか嘘だかわからないけれど、聞いたことがある。両手で傘の細い柄を握り、縮こまって歩き、ようやくマンションに入った瞬間力が抜けた。

しかし、まだまだ雨も止まなければ雷も止まない。大きな音が怖いから音楽をかける。普段は気持ちよく日光を通してくれる、白い遮光なしのカーテンが、今日ばかりは憎らしい。ときおり、太陽とも月とも、街灯とも違った、鋭くて、白くて少し赤くて紫の光が、灯りを落とした部屋を照らす。カーテン越しに稲妻のかたちが見える。怖いけど、きれいだけど、やっぱり怖い。

そういえば、最近まで雷を気に留めることはなかった。雷を恐れる感性は、自分には備わっていないのだと思っていたのに。