メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

コックと泥棒、その妻と愛人|ピーター・グリーナウェイ

もう一度観たいと思いつつ、VHSしか見かけないのであきらめていたところ、DVDレンタルを発見したので。英国の監督ピーター・グリーナウェイの代表作品。

品性ゼロで威張り散らしているギャングのボス・アルバートと、嫌々連れ添っている妻、手下たちは毎晩、アルバートの所有するレストランで食事をとる。フランスから連れてこられたシェフも店のスタッフたちも、味もわからないくせにグルメぶり、横暴の限りを尽くすアルバートのことを内心良くは思っていないが、黙って言うことをきいている。ところがレストランの常連客である男と、アルバートの妻が恋に落ち、食事中に「トイレに行く」と席を立っては店内で情事にふけるようになるものだから、当然そこから騒動がーーというのがあらすじで、あとはまあ、サスペンスなんだかふざけているのか芸術的なんだかよくわからないまま怒濤の展開。

英国映画らしからぬ仰々しさと変態性が彼の作品の特徴で、とにかく映像と音楽は凄い。格好いい。荘厳で美しくて、いっときも目を離すことができない。ヴィスコンティを入れ物にして、これでもかと変態を詰め込んだような映画。大好きな作品なんだけど、エロありグロあり(※たいしたグロではないと個人的には思うのですが、生理的にこの手のネタが駄目な人はもう絶対駄目かと)なのでお勧めするには相手を選ぶかな。でもこのセットとカメラワークと、皿洗い少年の歌声の織りなす奇妙な美しさ、素晴らしさを感じて欲しいので、やっぱり勧めることにします。ストーリーのほとんどが、レストランの中で進むのだけど、すべての空間は水平に動くカメラでつながりをもって映し出されるのに、色彩的にはホールは赤、お手洗いは白、厨房は緑と、ライトの色でくっきり区切られている、この画面の美しさは是非一度。