メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

読みかけの本のこと

今朝、改札を通るときにはじめて、定期が切れていることに気づいた。慌ててお昼休みに定期券売り場へ行き、新しく半年分を買う。4月には、10月なんて永遠みたいに先のことだと思っていたのに、あっという間に半年が過ぎてしまい、わたしは永遠みたいに昔からここにいるみたいな気分で、永遠みたいに昔からここにいるみたいな顔をして、ここにいる。生まれてこのかたこんなことばかり繰り返して、気づいたらここまできていた。そしてきっと同じように、どんどん短くなってゆく体感の一秒を、通りすぎてゆくのかな。

ロシアのSF短編集を読もうとして、1篇ともう少しを読んだところで、難しくて放り出した。それから「血液と石鹸」を読みはじめ、読み終えたのでもう一度この本を手にして、最初の1篇から読み直してみた。そうしたら、このあいだよりするすると入ってくるので、少し驚いて、嬉しかった。

でもこれは、やっぱりわたしには難しい本で、きっと読み終えても上手に感想は書けないんだろう。にもかかわらず、この中には凄く大切な、きらきらするものが詰まっているような気がする。

「何もないから何だって言うんだ」世捨て男は答えた。「それは喜ばしいかぎりのことであるはずではないか」
「そこに行ってなにすんだよ」
「生きるのさ」

こういう言葉に触れたとき、生きたいとか、生きられるとか、生きようとか、思ってしまう。小説には砂を噛むような苦しみや絶望も隠れているけど、ときにこんな希望も。