メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

海を見た

窓からだったけど。

所用があって、静岡まで行って来た。滞在ほんの数時間。静岡に行くのは二度目、とはいっても一度目は大学の研修で、伊豆の熱川。当時は19歳でお金もなくて、みんなで在来線を乗り継いで行った。東京駅で、おやつに冷凍ミカンなんか買っちゃって。今日は、もう大人なので、ためらわずに新幹線の切符を買う。

新幹線はわたしにとっては夢の乗り物で、今でも乗る時どきどきする。トンネルばかりで実際たいした景色なんて見えないことが多いのに、それでも新幹線が好きだ。というのも、わたしは新幹線にのったことがほとんどなかったからだ。一度だけ、7歳の頃九州から東京に来るのに、新幹線を使ったらしいが、記憶はない。故郷に新幹線は通っていないどころか、完全な車社会だったので、わたしは19歳になるまでほとんど電車に乗ったことがなかった。大学進学のため上京し、在来線や地下鉄(複雑そうに見えて、最初は避けていた)には日常的に乗るようになったものの、故郷と東京の往復は飛行機なので、新幹線に乗る機会はない。学校で出会った友人は、新潟や北関東、東北や東海地方の出身が多く、彼らが帰省の際「新幹線で帰る」と聞くと、羨ましくてしかたなかった。「揺れないし静かだし、新幹線いいよ」なんて言われるともう、未知の乗り物に勝手な妄想ばかりが膨らむのだった。

その後、ひょんなことから福岡に移り住み、新幹線は一気に身近なものになった。飛行機も嫌いではないのだけれど、早めに空港に行かなければならなかったり、空港がターミナル駅から遠かったりと、何かと不便なところも目立つ。自分の中で「名古屋までの移動は新幹線」と決めていて、福岡にいる4年間のあいだに、おなかいっぱいのぞみには乗った。のぞみより好きだったのは新大阪と博多のあいだを走る、ひかりレールスターという、ひかりの癖にけっこう速い新幹線で、夜は車内放送なしのサイレント運転をしてくれるし、ゆったりした座席も気に入っていた。また、東京を起点とする旅行の際にもいろいろな新幹線に乗った。多分、上越新幹線以外、全部乗ったんじゃないのかな。

今日は、こだまとひかりで往復。そういえば、名古屋=東京をのぞみで移動することは何度もあったけれど、ひかりやこだまを利用するのははじめて。小田原から熱海にかけての車窓は、ちょうど夕暮れ時だったこともあり、鈍色の海のうえ、空が青と灰色とピンクとオレンジで、息をのむくらいきれいだった。あと、熱海の駅前のカオスにあてられて、なんだかすごく、降りたい! 熱海行きたい! という気分になってしまった。年末に鳥羽に行く約束もあるし、個人的には青森と岩手と金沢にも行きたくて、香川(小豆島と直島含む)とにも行きたくて、うずうずしてしまうけれど、海辺と日本海側はやはり、暖かくなってからかなあ。