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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

しらないあいずしらせる子|Ogre You Asshole

音楽のはなし

しらないあいずしらせる子

しらないあいずしらせる子

ここ数年で聴きはじめた数少ないバンドのなかでオウガは飛び抜けていて、ものぐさなくせに、結構な数ライブに足を運んでいる。Modest Mouseの影響はあれども、サウンド、声質や詞世界含め、すごく独特なバンドで、だからこそ他では味わえない感覚を求めてライブに通ってしまうのかもしれない。

リリースのたびに、意外に思うような曲が聴ける引き出しの多さも魅力で、例えば今回のミニアルバムに入っている「ひとり乗り」という曲は春あたりからライブで演奏されていた。ノスタルジックな空気ならば「また明日」みたいな曲も今までにあったわけだけども、「ひとり乗り」は更に、俯瞰的なスケール感が加わって、わたしははじめて、オウガの曲で泣きそうになった。今回の収録曲は軒並み子どものころの、夏の夕方の帰り道みたいだから泣きたくなるのは当然で、そういう意味ではちょっと狡いなあと思いながら、頭だか心臓だかわからないけれど、多分心があるんだろうあたりが、ぎゅーっとなってしまう。

いくら耳を澄ましたところで何を言っているかわからなかった(滑舌の問題ではなく、言語センスが独特すぎるゆえ)歌詞を眺めて、ヘッドフォンをかぶって、でもやっぱり、ライブハウスの薄く煙った中で、目を閉じて、揺れながら聴きたい。