メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

わたしのネックレス

冠婚葬祭以外でアクセサリーを付ける習慣が皆無だったわたしが、今日はじめて自分でネックレスを買った。7月に祖父が亡くなったあと、祖母から形見分けとしていくらかのお金をもらい、それを何かのかたちに変えなければと思っていたのだ。

実家で暮らす母と姉は、「おじいちゃんなら、本かなあと思って」と考え書架をあつらえたのだという。それを聞いて、負けじと好きな作家の全集を買おうかとも考えたのだけども、日常的に身につけられるもののほうが良いかもしれないと思い直し、アクセサリーか時計を買うことにした。ちなみにわたしは腕時計をつける習慣もなく、3本ほど持っている時計はすべて電池が切れたままチェストの奥に眠っている。しかし、ずっと使えるようなそれなりの時計となるとちょっと予算が不足しそうだったので、最終的には小さなダイヤのネックレスを買うことにした。

普段アクセサリーを付けないので、選ぶ目がなく途方に暮れたまま数か月が経った。その間ネットや雑誌でカタログを眺め。シンプルな一粒ダイヤかダイヤクロスならば毎日でもつけられそうだとようやく重い腰を上げたこの週末は、バーニーズニューヨークと新宿伊勢丹を回った。いざ見はじめると真剣にもなるし、目移りもする。ヴァンドームのプラチナ一粒ダイヤと、AHKAHの小粒ダイヤがクロス状に並んだデザインのもので悩んでいたわたしの肩を押したのは、母の「じゃあ、一粒ダイヤはお母さんの婚約指輪をリフォームしましょう」という言葉だった。いかにも婚約指輪然としたプラチナ台にダイヤの縦爪リングは、もう長いあいだしまわれたままで、母は内心もったいないと思っていたらしい。その石をプラチナと合わせてネックレスにし、来年の誕生日に貰うことになり、今日のところはクロスネックレスを買った。

どちらのネックレスも、大切にできそうな気がする。