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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

2008年を振り返る《展覧会篇》

よしなし アートとかエンタメとか

1 大岩オスカール 夢見る世界/東京都現代美術館
2 巨匠ピカソ 愛と想像の軌跡/国立新美術館
3 ダニ・カラヴァン展/世田谷美術館

展覧会はそんなに数を観ていないので、選ぶというほどのこともなかったけどとりあえず印象深いもの3つ。

1の大岩オスカールは本当に素晴らしかった。わたしは何もなしに美術館に足を運ぶということはあまりなくて、大抵の場合、目的の作品があってようやく重い腰を上げる。その点大岩オスカールは名前すら知らなかった。偶然MOTに行ったらやっていたからとりあえず観とくかと入った会場で、すーっと魂が抜かれる、膝から下の力が抜けるあの感じは、美術作品に対してはあまり味わったことのないものだった。何が好きって、確か観に行った当日の日記にも書いたはずなんだけど、リリカルで鮮やかなのに、どこかくすんで荒廃した彼の絵を見た瞬間「オースターだ」と思ってしまったのだ。

2のピカソは、当然いいものに決まっていると思って出かけて、やっぱり良かった。むしろ、イメージしていた以上に実物は素晴らしかった。わたしはがっつりキュビズムよりは、むしろ青の時代とか、ミノタウロスなんかが好きなので、そのあたりをたくさん観ることができたことにも本当に感激した。実質サントリーとふたつでひとつみたいな展覧会なんだけど、どちらかひとつ良かった方をと言われたら、国立新を選ぶかな。

3は、決して広さにも高さにも恵まれていない空間を最大限に利用して、ダニ・カラヴァンの世界を見せてくれた展示の素晴らしさが印象に残っている。一番最初、展示スペースに向かう通路に、はしごと米袋と、聖書の一節がディスプレイされていて、そこを通り抜けるあいだにすごく心が静かになるのだ。神様とか巡礼とかさっぱりわからないけれど、光を見て歩くというのはこういう気分かもしれないと思った。

ところで、大岩オスカール氏のサイトでは、サイズは小さいものの、ずいぶんたくさん作品を観ることができる。この文章を読んでくださっているなかには、ポール・オースターがお好きな方は少なくないと思うのですが、いかがでしょう? こんな絵はお好きじゃないですか?
http://www.oscaroiwastudio.com/