メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

永遠のこどもたち

主人公のラウラは、夫と息子とともに、生まれ育った孤児院に戻って来る。孤児院はすでに閉鎖されており、ラウラはそこを、障害児を預かる施設として再建する夢を持っていた。しかし、その家に住みはじめてまもなく、一人息子のシモンが「見えない友達」と遊ぶようになる。子どもなりの空想だと当初は軽く考えているラウラだが、次第に不気味な出来事が起こるようになり、とうとうある日、息子が行方不明になってしまう。

パンズ・ラビリンス」が素晴らしかったギレルモ・デル・トロがプロデュースした、スペイン監督の長編デビュー作。心霊もののホラーなんだけど、見方によってはイマジネーションの物語と受け止めることもできる。怖くて哀しくて、やさしい映画だった。

作品の中で霊の存在は、純粋にスピリチュアルなものと、想像によるもの、どちらとも受け止められるように描かれている。この後者、想像・妄想・希望としての「あちら側」を残しているのがすごく良い。「パンズ・ラビリンス」は、内戦の過酷な現実と少女の想像力を残酷なまでに絡み合わせた映画だったし、この映画の監督が同じく影響を受けたという「ミツバチのささやき」も、アナの出会う現実世界と、イメージとしての死や精霊が同じレベルで混在していて、スペインのファンタジーはこの辺りの描き方がすごく巧みなんだなあと改めて。そして、息子を思う気持ちの強さ故に、傍目に正気を失ってゆくように見える主人公ラウラには、ちょっとだけ翔ちゃんのママ@漂流教室を思い出したりもしてしまう。

あ、「ミツバチのささやき」「エル・スール」のエリセ2作品は、1〜2月にニュープリント版で上映されるそうです。このあいだわざわざシャンテで観たのに、と思うと嬉しいような悔しいような気分ですが。