メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

オウエンのために祈りを|ジョン・アーヴィング

オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)

オウエンのために祈りを〈上〉 (新潮文庫)

オウエンのために祈りを〈下〉 (新潮文庫)

オウエンのために祈りを〈下〉 (新潮文庫)

年末になんとか読了したけれど、感想をまっとうに書くにはあまりに時間が足りない。アーヴィングを読むのは二冊目で、とにかくすごい、凄い小説だった。ただ、その「凄さ」が何であるのかを言葉にすることや、小説自体をきちんと飲み込むのにはきっともう少し時間がかかる。わたしが信仰やキリスト教内宗派のあれこれや、ベトナム戦争に向かう時代のアメリカについてあまり知識を持っていないことはひとつの理由だ。そして、それ以上に、小説の構造やキャラクターの造形自体を、一読しただけでうまく咀嚼することができない。読み進めるうちに、これが何の物語なのか、彼はいったい何者なのかということがわからなくなり、混乱がおさまらないまま読み終える感じは、今まで読んだところだと、パワーズの「囚人のジレンマ」や、オースターの「ミスター・ヴァーティゴ」と少し似ている。ちなみに読後しばらく経って、「囚人のジレンマ」については自分なりの解釈を見つけたものの、「ミスター・ヴァーティゴ」についてはいまだにもやもやしたものが残っている。

オウエンが何者だったのか、ということをもうしばらく考えてみたい。というか、しばらくはそのことが頭から離れないと思う。