メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

つれづれ


  • 「電車じゃないよ、あれ」と言って、電車と気動車の違いを教えてくれたのは、高校の同級生のMくんだった。「パンタグラフがないやろ、あれは気動車ディーゼルで動いてる」。それまでパンタグラフの有無など気にしたことがなかったし、まったく鉄道に興味のないわたしは、今どき線路を走る列車はすべて電車だと思っていたので、ちょっと驚いた。それから、列車の姿を少しだけ注意深く眺めるようになった。終電車がホームにすべりこんで、パンタグラフが電線からじんわり離れぺしゃんこになってゆく様子は少しかわいい。
  • 二十歳の夏休み、青春18きっぷで旅行中に東北のローカル電車で席を譲ったお礼にと、おばあさんにおにぎりと塩鮭とオロナミンCをもらったことがある。おにぎりと塩鮭はアルミホイルに包まれていた。そこまでならばただのいい話だが、数時間後同行者が猛烈な腹痛に教われるというオチがついてきた。
  • 学生時代の一時期JR武蔵野線を頻繁に利用していた。千葉の西船橋から埼玉を通り府中本町まで、ちょうど東京23区の周囲にぐるりと軌道を描いているややマイナーな路線であり、府中競馬場と中山競馬場を両端に持つことから競馬列車などと揶揄されたりもする。終電は早いし、首都圏の電車のくせに15分に一本くらいしかなくて、非常に使い勝手が悪い上に、すぐ止まる。強風が吹けば京葉線のあおりをくって止まり、まとまった雨が降っても止まった。ある日、振替輸送の電車の中で見知らぬおじさんが「南越谷の駅で洪水が起きるから、武蔵野線はいつも止まるんだよ」と教えてくれた。それ以来、わたしは武蔵野線が雨で止まるたび、「ああ、南越谷で洪水が起きてるんだ」と思うようになった。おじさんの言葉が事実だったのかはいまだに謎だけども、話によれば、武蔵野線は今ではすっかり雨に強くなったらしい。南越谷の治水がうまくいったのだろうか。
  • これも昔のことだけど、一緒に電車に乗っているマリちゃんが嬉しそうに「汚らしいのー、汚らしいのー」と連呼している。車内の電光掲示板には「kita-narashino」という表示。次の停車駅は「北習志野」だった。小学生じゃあるまいし。
  • めったに乗らない東西線で、ふと電光掲示板を見あげると「キハ」と書いてある。東京メトロにキハが存在するはずはない、おかしいなとよくよく目を凝らすと「キバ」だった。次の停車駅は「木場」。
  • 同期のKくんが鉄道好きだと聞いたので「枕木売ってるところ、知ってるよ」と言ったところ「僕は犬釘を拾うくらいで満足しているよ」という答えが返ってきた。
  • 以上、ふと思い浮かんだ列車に関する連想。まだまだありそうだけどひとまずこれにて。