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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

アブラハムには7人の子

音楽のはなし よしなし

子どもの頃、身振り手振りをつけて、お遊戯しながら歌っていた「アブラハムには7人の子〜」という童謡(これ、全国的に歌われていたんだろうか)。わたしの記憶では、歌詞はこんな感じだ。ちょっと違うかもしれないけど、まあだいたい。

アブラハムには 7人の子
ひとりはのっぽで あとはちび
みんな 楽しく 遊んでる
さあ 踊りましょう
右手(右手) 左手(左手)……(以下略)

わたしはずっと、この歌は外国の童謡に訳詞をつけたもので、「アブラハム」は、旧約聖書のアブラハムのことだと思っていた。で、最近うつらうつらしながらふとこの歌のことを思い出し、「ひとりはのっぽで」というところで、「じゃあ、こののっぽはイサクのことなのだろうか」と考えた。アブラハムの子といえば、イサクである。だとすると、他に6人ちびがいたのだろうか。それとも、イサクがちびで、他にのっぽとちびが5人いたのか? そうすると俄然、「イサクはのっぽだったのか、ちびだったのか」というどうでもいいことが気になりはじめ、ようやく寝付きかけたところだったのに、わざわざ起きだして検索をかけてみる(インターネットがない時代、こういった疑問はどう処理していたんだか、今ではもう思い出すこともできない)。

結論、まず、この歌のタイトルは「アブラハムの子」という。歌っているのは子門真人氏である(!)。これにはけっこうびっくりした。原曲は確かに外国曲らしいがどこの国のどんな曲なのかは謎。作詞家としては、日本の作詞家の名前がクレジットされている。そして、どうやらこの「アブラハム」は、あのアブラハムとは一切関係ないらしいのだ(ちなみに創世記のアブラハムには、イサク以外に妾の子の描写があるそうだが、さすがに7人もの子どもがいた形跡はない)。なにもないところからふっと「アブラハムには7人の子」というフレーズが出てきたのだとすると、そのイマジネーションの力は生半可なものじゃないような気がして、むしろ凄い、というかちょっと怖い。

ちなみに、宗教画で見るイサクは、どっちかというとのっぽなんじゃないかと思った。