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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

映画を2本ほど

実は台湾映画って観たことがなくて、どんな感じなのかなーと思っていた。香港映画は、フルーツ・チャンとか昔のウォン・カーウァイなんかは割と好きで観てたけど、香港映画とも中国映画とも、日本映画とも近くてちょっと違っていて、すごく面白かった。一昨年台湾には行ってきたので、街のにおいや空気、スコールの感じなんかも思い出してしまう。ヒロインのおうちが按摩さんで、父親や従業員がみな盲人であるという設定(そして、ヒロインの弟はちょっと知的に障害がある)も、奇抜なようでナチュラル。周囲のやくざというかちんぴらも、大げさな部分もありつつ、普通に下町の人間関係っぽい描き方をされていて、いい。それぞれのキャラクターや場面場面を、掘り下げればもっと重くなったり深くなるところをあえてさらっと流してゆく感じにも好感を持った。一部任侠もののような無理矢理展開には思わず苦笑してしまったけど。外食に行くのに、ヒロインの肩につかまり、その後ろに白い杖をついた家族や従業員がずらりと連なって街を歩く画はすごかったなあ。あと、台北の地下道にお父さんが音を聴きにいくシーン。

ネオ・ファンタジア [DVD]

ネオ・ファンタジア [DVD]

わたしはディズニーの「ファンタジア」を観ていないので比較はできないんだけど、その形式を借りて、ちょっと毒と色気のあるパロディとして作られたイタリアのアニメーション。

映画制作を目論む男が、指揮者(横暴)とオケ(なぜか全員老婆)とアニメーター(囚人?)を集め、クラッシック音楽に合わせたアニメーションを作らせる、という設定のもと、実写部分とアニメーション部分が交互に挿入されていく。実際の演奏はもちろん老婆ではなくベルリンフィルで、指揮はカラヤン。ちなみに、わたしが小学生の頃仲良しだったのりこちゃんの家ではしょっちゅうレコードでクラッシックがかかっていた。我が家はクラッシックなどというハイソなものに縁遠かったので、物珍しくてレコードを眺めていると、のりこちゃんのママが、ジャケットのカラヤンを指し示し博多弁で言った。「この人、死んだとよ」。それ以来カラヤンの名を聴くたびに「あー、死んだ人だ」と思いながら今日に至るのである。

アニメーションは様々な手法/画風のもので、大抵ちょっとシュールで、わけのわからない生き物が出てくる。わたしは変な生き物が好きなので、すごく面白かった。「牧神の午後のための前奏曲」は一応パン(なんだよなアレ)が美女を追っかけるストーリーなんだけど、なぜかラヴェルの「ボレロ」はそのまま動物進化の物語になっているし、アダムとイブと蛇の話になぞらえていたのは「火の鳥」だったか。小ネタ満載なのでアニメーション部分は基本台詞なしなんだけどほとんど爆笑しながら観ていたような気がする。

暴力、残酷、エロスの描写も多めなのでディズニー映画と間違えて借りたら子どもが泣くと思う。「パンズ・ラビリンス」をハリー・ポッターみたいな話だと思って劇場に行った子ども大泣き、という本当にあった可哀想な話を思い出した。