読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

パイレーツ・ロック|リチャード・カーティス

映画のはなし

ブコメに妙な苦手意識があって、リチャード・カーティスの映画は観たことがなかった。正直、テレビの恋愛ドラマを2時間に仕立てた程度のものなんだと、勝手なイメージでバカにしてもいた。だから、この映画も、フィリップ・シーモア・ホフマンが出ていなければ、そして偶然予告編を観なければ、いくら好きなロックミュージックがたくさんかかる作品であろうと、足は運ばなかったと思う。観に行こうと決めてからもそんなには期待していなかったので、初日に鑑賞したのも偶然武蔵野館の前を通りかかったから。

いやもう、最高でした。
最高としか言いようがない、ほんと最っ高だった。

ロックやポップがまだまだ規制されていた時代を舞台に、海上からひたすらロックを流し続ける海賊ラジオ局「ラジオ・ロック」とその乗組員たち。全員キャラが濃い。そして、少年漫画的なベタな展開がこれでもかと畳み掛けてくる。そういう意味ではくどかったり、エピソードが過剰だったりという部分は当然あるんだけど、粗をすべて「どうでもいい」と思わせてくれるだけの魅力を感じるのは、俳優陣の演技のすばらしさと、シナリオ、台詞回しの上手さなんだよなーと思う。すごく上手な俳優さんたちが全力でやんちゃやってるっていうのは、とてつもなくわくわくする。予告編含めて3時間座っていたので、この手の映画としてはけっこう長尺ながら、それでも最初から最後まで時間を忘れて楽しんで、笑って、ちょっとほろっときた。

カールを全面的な主人公にしなくて、ヒーロー的な部分をカウントに、他のキャラも立たせて群像劇要素も強く、というのも良かった。主人公っぽい存在であるカールは、何か活躍をするわけでも目覚ましい成長をみせるわけでもない。童貞喪失にかかるあれこれや、親子関係についてのあれこれについては細かく描かれているけれど、全体的には狂言回しのような立場(なんとなく「あの頃ペニーレインと」を思い出した)。そして、もう1人の主人公が、PSH演じるアメリカ出身のDJ「カウント」。彼のキャラクターは「少年漫画の主人公的」なもので、非常に熱血漢で正義感も負けん気も強い。そのカウントと、クールでセクシーなギャヴィンの対決〜友情の流れなんて、ベタすぎて愛おしくなるくらいだった。いつもよりPSHが若々しいと思ったら、頭が薄くないからなのねーと、いつになくチャーミングな彼にうかつにもときめいてしまう。ちなみにPSHはわたしにとって、目が離せないアメリカ映画三大デブの1人である(他の二人はジョン・グッドマンジャック・ブラック)が、本作での好演により、ニック・フロストも「若干目が離せないデブ」へとポジションをあげてきた模様。(デブデブ書いてすいません、愛があるのでゆるしてください)。

音楽は言うまでもないし、衣装やデザインもすごく素敵だったので、時間があればもう一度観に行くつもり。お勧めの映画です。皆さんも「パイレーツ・ロック」を観て、是非わたしとPSHの魅力について語りましょう。