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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

歩け、歩け

よしなし アートとかエンタメとか

昼前に家を出て、お世話になっている先生の研究室が行っている展示を観に生田へ。歩くことをテーマにした展示で、コンパクトなスペースに「WALKING」から想起したさまざまな本、写真、映像、詩、絵画、音がとりどりにちりばめられている。歩行というフィジカルな体験と想像力が密接に結びついた、とても楽しくて素敵な、今すぐにでも歩き出したくなるような展示だった。


歩きたくなったので、そのまま生田緑地へ。ちょうど川崎市岡本太郎美術館で、写真家佐内正史さんの「作品に触れる」ユニークな企画展が開催されているのだと聞いて、興味を持っていたのだ。昨年の晩夏に一度訪れたときは、最寄りの向ヶ丘遊園駅から向かった。生田側からで迷わず行けるか不安だったけれど、要所要所に案内が出ていたおかげですんなりとたどり着くことができた。

専修大学の裏手から緑地に入ると、ちょうど眼下に、美術館の背中が見える。この先に散策用の遊歩道(という名の急な階段)があり、しばらく歩くとちょうど美術館入り口につく。専大→美術館は下りなのですいすいと歩いていったが、逆は急な上りなので大変そう。皆さん息を切らしていた。へたれのわたしは、帰りはこの遊歩道は通らず、向ヶ丘遊園駅へ向かう。

岡本太郎美術館。常設展自体は変わりがないはず、なんだけど面白いのが企画展開催中の佐内正史さんの作品が常設展のあちこちに紛れ込んでいたこと。太郎さんの作品の合間に、ユニークな額装を施された「赤い車」の写真がぽろぽろと。ただ壁に展示しているだけではなく、太郎さんの作品に紐でくくりつけてあったりと、コラボレートを楽しんでいる自由な雰囲気がとても気持ちよくて、にこにこしてしまう。
佐内さんの「触れる作品展」は、企画展が行われる広い長方形のホールに4つの大きな長机を設置し、その上にびっしりとプリントした写真が並んでいるというスタイル。「触っていいよ」と言われたからといって、はいそうですかとべたべた触る気にはなれないのが人間心理で、最初はおそるおそる、途中からようやく手に取ることに抵抗がなくなる(エヴァンゲリオンパチスロ画面を写したもの」が大量に置いてあったのには面食らいつつ笑ってしまった)。どうってことない風景が、一瞬がぴたりとひとつの世界にはまり、ハミングしはじめるような、佐内さんの写真を初めて観たのがいわゆるアー写だったから、そんなふうに思ってしまうのかな。対象がミュージシャンでも女の子でも景色でも、軽やかな印象はずっと変わらない。


前回も生田緑地の入り口でねこと出会った気がする。今回も。


思ったより早めに帰れそうだったので、年内のもうひとつの課題だった旧フランス大使館で行われているアートイベント「NO MAN`S LAND」へ。広尾にある旧フランス大使館の取り壊しを前に、どうせ壊すならその前に徹底的に遊んじゃおう! と思ったのかどうかはわからないけれど、日本とフランスを中心とした各国の若手アーティスト、そして芸大に場所を提供し、思うがままにアートさせてしまおうという粋な試み。


恵比寿からのんびりお散歩。15分前後? でそれらしき建物が見えてきた。


伊勢谷友介HIROMIXといった有名どころが参加していることや、入場フリーであることなども影響してか、会場は大盛況。わたしも、会場の広さやイベント規模をなめてかかっていたので、足を踏み入れてはじめて参加者の多さ、展示の多様さに驚いた。1アーティストが1〜3つ程度の部屋を自由に使い、絵、字、造形、インスタレーション、映像、パフォーマンス、なんでもあり。廊下も、給湯室も、庭も、使えるものは何でも使って、なんだかものすごく規模の大きい大人の文化祭みたいでとても楽しい。中には、イベント中にも作成を続けている(そのパフォーマンス含めての作品)アーティストもいて、そういう場合は直接話を聞くこともできる。人が多くて気ぜわしくはあったけど、たくさんのアーティストの個性がびしびし伝わってきて、そのエネルギーの強さに背中がしゃんとするような、刺激的なイベントだった。1月末まで開催されているのでもう一度行けたらいいな。朝一番とか、もう少しのんびりできる時間に。








日が落ちた帰り道、飛行船を見かけた。