メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

浅倉久志さん、あなたに神のお恵みを

浅倉さんは他にもたくさんの海外SFを日本に紹介しているし、わたしは飛田先生の訳したヴォネガットも大好きだということを述べた上で、それでも言わせて欲しい。日本の読者は、浅倉久志伊藤典夫の訳でカート・ヴォネガットを読むという非常なる幸運に恵まれた。そして、その幸運の代償として、「ヴォネガットの死」に三度立ち会わなければならないのだと。

悲しい知らせが流れて、帰り際、駅を出ると雪が舞っていた。そういえば、サロがマラカイ・コンスタントを地上に連れてきたのも確か、雪の降る夜だった。もっともっと寒くなって、今夜はあんな風に雪がつもればいいのに、と思いながら家への道を歩いた。

浅倉さんは、声を聞いただろうか。きっと誰かが言ったはず。浅倉さんを雲の上に連れて行く前に、絶対に言ったはず。「天にいるだれかさんはおまえが気にいってるんだよ」って。