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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

風邪をひいた拍子に

先月、研修出席前に担当係長から電話がかかってきた。「健康状態で気を遣うこと、服薬とか生活の注意とか、あったら聞いておかないといけないんだけど」。「いえ、ありません」と答えると、U係長は「そうだろうね、健康そのものって感じだもんね!」と力強く言った。確かにわたしはとても健康で、しかも仕事に穴をあけるということに強迫観念をもっているせいか、大抵体調を崩すのは金曜の午後か土曜日。そして翌月曜日にはすっかり回復している。この2年間、体調不良で仕事を休んだことは一度もない。

そんな健康優良児なわたしだけれども、子どもの頃は、いかにも子どもらしくいつも熱を出し、風邪をひいていた。行きつけの小児科の先生には「君はまるで病気の旅館だね」と言われるくらい、夏も冬も問わず、熱を出しては寝込んだ。不思議といつも体温計は「39度8分」を指し、それを超えることはなかったので漠然と「40」という数字に憧れていたような気がする。「アイスノン」が溶けるのに再冷凍が追いつかず、客用に冷やしていた1リットルの大きなビール缶(いわゆるサーバー缶)を枕代わりにあてがわれていたことなど思い出す。

仕事の忙しさのせいか、寒くなったり暖かくなったりする気候のせいか、昨日今日と調子を崩していた。昨日は、朝はいつもの土曜日と同じように7時前に家を出て、コーヒーを飲んでから英語に行った。昼過ぎに授業を終えて、次の用事まで少し時間があったので、お茶を飲みながら時間をつぶしているあいだにどんどん気分が悪くなる。用事を終え、少しだけ買い物をして家に着くとふらふらで、鍋にお米と水を入れ火にかけたものの、結局はそれも食べず、ぼけっと映画を観てそれから眠った。

今朝はいくらか気分が良かったけども、雨も降っていたし、一日家で過ごすことにする。わたしは休日もなにかと外出するたちなので、一日部屋にいることは最近なかった。ごろごろして、たまにはこんなのも悪くないなと思って過ごす。

子どもの頃、風邪を引くとなぜか「はちみつパン」が出てきた。焼いていない食パンを、短冊状(スティック状?)に切ったものを、お湯で溶かしたはちみつに浸して食べる。消化にいいのだと母は言っていたけども、本当だろうか? あんな食べ方はよそで見たことない。あと、こちらはポピュラーな「すりおろしたりんご」。毎年夏休みに祖父母の家に預けられていたその間にも、必ず一度や二度は熱を出した。なぜかいつも熱を出すと、祖母はアイスクリームを食べさせてくれた。スーパーやコンビニもなく、小さな商店へ行くにも車が必須。祖父が留守のときは、夕方にやってくる「ショッピングカー(バスを改造し、座席があるべき場所に生鮮食品や雑貨が並んでいるもの。子ども心に非日常感があり、この中でお菓子を選ぶのは楽しかった。高くて種類も少ないのだけど)」で買うしかないので、いつも同じ紙カップのアイスクリーム。ふたが、今みたいに上からかぶせるタイプではなく、タブを引っ張るようになっているもの。それすら食べられなくて、熱に浮かされながら、どろどろに溶けてゆくアイスクリームを眺めて、祖母を心配させたっけ。

つらつらとそんなことを思い出しながら、昨日作ったおかゆでも食べようと鍋の蓋を取ると、おかゆにするには水が少なかったのか、すごくいいコンディションに炊きあがったごはんがすっかり冷めきっていた。しばらく火にかけたところで食べる気をなくしてしまい、中も確認せず火を止めて放置してしまった昨晩のことを思い出す。結局水とカニ缶を足して、最後にたまごを溶いて、おじやにして食べた。