メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

美味しゅうてやがて悲しきラムボール

昨日、久しぶりに横浜まで映画を観に行ったので、帰りに相鉄ジョイナスの地下で喜久屋のラムボールを買ってきた。本店にしろジョイナス店にしろ、いかにも古くさい洋菓子屋といった店構えに、並んでいるケーキは華やかさにはほど遠いものばかり。人気商品であるラムボールにしたところで、アルミカップの上に黒い塊がでんと置いてあり、失礼な話、人からいただく機会がなければ一生食べてみようとは思わなかっただろう。

地方で仕事をしていた頃、職場に横浜好きの先輩がいた。彼女は「横浜好き」といっても、横浜に住んだ経験があるわけではなく、単純に彼女の青春時代の象徴であり、今も愛して止まない「サザンオールスターズ」と「あぶない刑事」の舞台としての横浜に深い憧れを抱いているのだった。美味しいものにも目がないようで、休暇に東京と横浜に出かけては、サザンオールスターズのコンサートを観て、テレビや雑誌に取り上げられた店を食べ歩いた話をよくしていた。

彼女からは、ディズニーランドで買ったかわいらしい文房具や、人気店の焼き菓子など、時々の流行にあわせていろいろなお土産を貰ったが、中でも気に入ったのがこのラムボールだった。千葉で学生時代を過ごし、東京都内にはある程度明るかったわたしだけれど、横浜にはあまり縁がなく、時折ライブハウスに足を運ぶのと、中華街に食事に出かけるくらい。当然「喜久屋」も「ラムボール」も知るはずがない。

2個入りの箱を貰って、家で開けたときには正直参ったなと思った。大きめのトリュフといった風貌をした胡桃大のチョコレート。わたしはあまりチョコレートが好きではない。こんな大きな塊どうしよう、と途方に暮れてフォークで割ってみると、中は柔らかい、薄褐色の何かだった。

あ、チョコじゃないんだ、と食べてみると、ラムの香りが口いっぱいに広がる。ラム酒に浸した重めのスポンジとラムレーズンをチョコレートでコーティングしているらしい。洋酒好き、レーズン好きのわたしはこれ以来すっかりラムボール好きになってしまった。かなり甘いけれど、チョコレートケーキとしては小さめのサイズも、お茶と一緒にいただくのにちょうどいい。

久しぶりのラムボールを堪能しながら、楽しかった地方勤務時代を思い出して少ししんみり。来週は同期のMちゃんが研修で上京してくるし、来月は友人が土日を利用して遊びに来る予定。こちらからも、たまには向こうに遊びに行きたいんだけどな。