メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

インセプション|クリストファー・ノーラン

いまさらながら「インセプション」が早稲田松竹でかかっていたので観てきた。戦隊者的な、キャラの立ったチームでのクライムアクションで、美術の美しさあいまってとても楽しい素敵な映画だった。(予告編から勝手に、企業スパイのディカプリオが活躍する007みたいな映画かと思っていた。しかもケン・ワタナベは日本向け宣伝でフィーチャーされているだけで、実際は登場場面の少ない影の大人物かなにかだと思っていた……わたしのバカ)現実と夢と深層意識のかかわり、夢の階層の時間の流れや空間的干渉など、オーソドックスな設定のSFアクションなんだけど、作り手と役者の力量でこんなに面白くなるんだな。

ひとつ変わってるのが、派手なアクションなのにこの映画には、はっきりとした「敵」「悪役」が出てこないこと。対立軸自体が存在しないアクション映画。なのにきちんとどきどきできて、その上で他人の深層意識をよからぬことに利用しようとした人間はちゃんとそれなりにしっぺ返しをくらうあたりとても上手くできている。

役者で印象深かったのは、「(500)日のサマー」ではファニーなイメージだったジョゼフ・ゴードン=レヴィット。この作品ではやたら格好良くて、役柄の幅広そうだなと今後にも期待してしまう。あとわたしはマリオン・コティヤールが好きなので、相変わらず美しい彼女は目の保養。エレン・ページの役(モモレンジャーみたいな紅一点)はもうちょっと活躍するのかと思ったけど、ただの狂言回しみたいになっちゃって、彼女の役どころはちょっと残念に思った。

しかしスコセッシ『シャッター・アイランド』に続き、ここのところディカプリオが(作品内で)嫁に恵まれない。この2作品、夫婦の関係性とレオの懊悩っぷりがほとんど同じなのでデジャヴのようだった。あ、子供が男女1人ずつってところも同じだっけ。

同時上映のテリー・ギリアムDr.パルナサスの鏡』は前観たときにこぼしていた部分を拾いながら、細かいところまで観ることができた。早稲田松竹的に今回のラインナップは「映像の魔術師」二本立てだったみたいだけど、クリストファー・ノーランといえば『ダーク・ナイト』。『ダーク・ナイト』といえばヒース・レジャー。『Dr.パルナサスの鏡』はヒースの遺作。……と結局ヒースの顔見てしんみり。