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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

トイレの神様

よしなし

トイレの神様」という曲が、昨年ヒットしたらしい。恥ずかしながらわたしはその曲を一度も聴いたことがないのだけど、「トイレを掃除すると美人になるんだよ」という話をしてくれた祖母の思い出を歌ったものであるらしい。「妊婦がトイレを掃除すると可愛い赤ん坊が生まれる」という俗信はよく知られているが、その亜流のようなものなのだろう。人が嫌がる不浄の掃除を進んでやることが徳になる、という言い分は何となくわかるような気がする。(だからって子どもたちに素手で便器を掃除させる運動をやっている団体はまったく理解に苦しむ)

わたしは水回りの掃除が好きなので、トイレ掃除も好きだ。自宅のお手洗いなど、どうせ自分か家族かよっぽど親しい人くらいしか使わないのだから、しゃがみ込んで顔近づけて便器を磨くことも、ちっとも汚いなんて思わない。毎日のように便座をチェックして、汚れがつかないようまめに掃除をしている。

なぜこんなにトイレ掃除をまめにするのか、と思い起こしてみると、わたしにも「トイレの神様」というか、その曲の作者にとってのおばあちゃんのような存在があることに思い当たった。

10代の、一人暮らしをはじめて間もない頃、某音楽誌のインタビュー中に「こういう女には引く」だか「女の部屋ではここをチェックする」だか、とにかくそんな話題が出ていた。そこで、「トイレの便座の裏。意外と女の家は汚れている」と読んで以来、わたしはトイレ掃除に気をつかうようになってしまったのだ。確かに、便座を上げる男性にとっては目につくけれど、便座を下ろしたままの女性にとっては死角になりがちな場所だよなあ、とやけに感心したことを覚えている。

そうだ。
なんと、わたしにとっての「トイレの神様」はピエール瀧だったのである。