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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

いつのまにか、わたしも

3年以内に辞めるはずだった職場で、そろそろ中堅になろうとしている。組織に属することで何かを失うのではないかと怯えていた頃の気持ちが懐かしく、確かにイノセンスはなくしたかもしれないわたしは、まだまだチャイルディッシュだ。

就職したての頃、とある女性の係長にずいぶん親切にしてもらった。当時のわたしは、女性というのは年を重ねるにつれ若い子のことが嫌いになるのだと思っていたから、彼女がなぜそんなに優しくしてくれるのか理解できなかった。別の先輩はいつもご馳走してくれて、恐縮するわたしに「自分は新人の頃先輩におごってもらってばかりだった。だから、同じことを後輩にする。あなたは、そのうち後輩ができたときにおごってあげて」と言った。今、あのときの先輩の年齢を超えて、係長の年齢に近づいて、彼女たちがわたしに親切にしてくれた気持ちが、少しずつわかってきた。自分より年若い女の子が一生懸命がんばっている姿はいじらしい。もちろん男の子だって、それなりにいじらしい。

昨年、過酷な新社会人生活に悩んでいる新人に、冗談半分にこんな話をした。
「ここでは、困ってるときに誰かが助けてくれるとは思わない方がいいよ。たまにはそういういい人もいるけど、期待して助けてもらえなかったらがっかりしちゃうから。部下が困っていても知らんぷりの上司もたくさんいるから、期待しないで、できるだけ自分で切り抜ける力を培った方がいいよ」
これは、周囲から「入ったばかりの女の子に話すにはあまりに夢がない」とブーイングの嵐だった(が、彼女との信頼関係を築くことには成功した)。

最近、今年度の新人ちゃんが仕事に滅入っていることに気付いたので、昨年の反省を活かして別のアドバイスをすることにした。
「誰かにぎりぎり詰められてうまく対応できなかったり、言われた仕事がいまいち上手くこなせないとき、『わたしってなんてダメなんだろう』って自分を責めると心を病みやすいからね。ときには自分が正しかろうが間違っていようが、『あいつムカツク』って他罰的になった方がいいときもあるよ」
隣にいた係長が、はっとした顔でわたしを見た。
「いつも僕のこと死ねと思って……」「いません!」

今回の助言も、周囲から「夢がない」と不評だったことは言うまでもない。でも、「がんばれ!」「だいじょうぶ!」なんて言葉の100倍実践的だと思っているんだけどな*1。以前、英語のクラスで「あなたの職業に一番求められる適性は何?」とたずねられ、ほぼ全員が「タフネス!」と即答した。社会の一員として生きるというのは、そういうことだと思う。

*1:もちろん乱暴な助言だけでなく、話を聞いたりおやつをあげたり、他にもいろいろやってます。