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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

つながってるかも

金曜土曜と、一泊二日で日光へ行ってきた。その記録や写真は(気が向けば)アップするとして、ひとつ、驚いたことがある。

今回の小旅行は、古くからの友人Rがようやく大学に正規の職を得たため、そのお祝いを兼ねていた。彼女とわたし、高校時代は毎日顔を合わせていたことから、趣味嗜好が似通うのもある意味当たり前だった。大学からは別々の環境に身を置き、顔を合わせるのは数ヶ月に一度となった。一緒に過ごす時間は減ったのに、会うたび着ている服が似ていたり、同じ時期に本や映画の趣味が動いたりするのは不思議だった。

わたしが九州で暮らす間は、半年に一度ほどしか会えなかった。この頃から色や洋服、小物の好みはばらばらになっていった。映画や本の趣味で一致しないものも多く、だからこそ情報交換ができる。「面白いこと」だけでなく、互いの仕事や研究に関係しての会話で盛り上がることも増えた。わたしが東京に戻り、月に一度ほど会う時間を作るようになっても、その状況は変わらない。

東武日光駅について、友人は自動改札をそのまま抜けた。PASMOのチャージ残高の少ないわたしは、係員窓口で清算し、改札外で彼女と再合流した。「お待たせ」と声をかけるわたしに、彼女は言った。「ねえ、お財布、見せて」

年末にようやく希望の柄が再販され、手に入れた「文庫屋大関」の二つ折り財布はとてもかわいくて、使いはじめて以来いろいろな人に褒められる。てっきり彼女も、清算の際わたしが出した財布を遠目に見て、デザインに興味を惹かれたのかと取り出す。と同時に彼女も自身のカバンに手を入れる。

「一緒だ」

彼女は花更紗、わたしは枝垂れ花鳥、と柄こそ異なるものの、並んだ二つの財布はどちらも文庫革にうるしで彩色された、「文庫屋大関」の二つ折り財布だった。しかも、どちらも同じようにまっさら。

「学会の帰りにANAの機内誌で見て気に入っちゃって、やっと年末に買えたの」
「出張の帰りにANAの機内誌で見て気に入っちゃって、やっと年末に買えたの」

顔を見合わせて、笑った。