メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

本当のことだけ

本好きの子どもにありがちなことだけど、妄想癖があった。今もちょっと引きずっていて、例えば、ある日首の後ろに亀裂ができて、そこからばりばり体が割れて、こんなんじゃないもっときれいな何かが中から出てくればいいのに。なんて、本当にバカみたいなんだけど、ときどき本気で考えている。

数年前までは隠し事をしていたから、日常的に嘘をついていた。誰に追及されているわけでも責められているわけでもないのに、周囲を嘘で塗り固めて、あまり本当のことは言わなかった。今はそういう必要もなくなって、ふと考えてみるともうずいぶん嘘をついていないから、それはそれでさびしいような気がする。

月に一度作文を持ち寄るグループに参加して、もうそろそろ2年が経とうとしている。当初の縛りは2つ、「ノンフィクションであること」と「3,600字であること」。嘘が得意な分、ノンフィクションはあまり得意でないけれど、それでもたったの3,600字を埋めることはさして難しくなかった。しばらくして字数が2,000字に変更されてからは、もっと楽になった。適当に頭に浮かんだことを書いて、そのパーツをうまいかんじにつなげれば、2,000字なんてすぐに埋まる。書きたいことをつらつらと、面白おかしく書けばそれでよかった。

でも、この春に新たな縛りが加わって、状況は一転した。

毎月与えられたテーマに沿って書く。ただそれだけで、作文がとても難しくなった。フリーテーマだと好きなこと、書きやすいことしか書かないから、とテーマ縛りに賛成した身でありながら、今はそのことを後悔している。嘘だったらいくらでも書けるけど、与えられたテーマについて、本当のことだけど書くのは、たった2,000字であっても難しい。

美しい海、浜辺について、土曜の朝までに書き上げなければいけない。海なんて全然好きじゃない。第一泳げない。浜辺に行った回数なんて両手の指くらいしかない。今回こそは本当に弱り切って、自分と海の接点をひたすら探し続けている。そんな感じの近況です。