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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

髪を切る

よしなし

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寒くなってきたからようやく髪を切ることができた、と言うとみんなが不思議そうな顔をする。

でも、暑い時期は髪の毛を結ばないとやってられないし、寒い時期は髪の毛がなかなか乾かないから、短い方がうんと楽。マフラーだって、短い髪のほうがだんぜん巻きやすい。だからわたしは、すごく暑い時期には結べる長さまで髪を伸ばし、そうでない時期にはおかっぱになる。ここ数年はそんなところ。

はじめて髪を短くしたのは30を目前にした冬だった。わたしの母は「女性は髪が長いもの」という強固な考えを持っていて、子どもの頃から「絶対に短い髪は似合わない」と言い含められてきた。芸能人が髪を切ったのを見かけると、テレビを前に「でも、長いときの方が良かった」と必ず苦言を呈す。他にもいろんな理由はあったけれども、結局わたしは母の言葉に、あんなにも長い間とらわれてきた。

最初に髪を切る少し前、「髪の毛短くするからね」と母に告げた。母はあっさり「聞かなくたって、好きにすれば良いのに」と言ったけれど、要するにそんな年になるまでわたしは、母の許しがなければ髪を切ってはいけないと思っていたのだ。

馬鹿みたいだけど。

母は今、わたしのおかっぱを気に入っているようで、たまに姉にまで「短くしてみたら?」と進言している様子。いろんなことは、きっと思っているよりずっとあっけない。