メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

さようなら、ロビン・ウィリアムズ

あの頃、わたしの住む町で子どもたちにとって映画館は「ハレの日」のものだった。ビデオレンタルは旧作でも一泊400円くらいして、しかも品揃えは貧弱。そんな幼少時代を過ごし、中学生になった頃から、ときどき「街」にある映画館に出かけるようになった。もちろん小洒落た映画をかけるミニシアターなんてないから、観るのはブロックバスターばかり。同級生のRに誘われて観に行った『ジュマンジ』。正直、たいしておもしろくはなかったよね。純粋にあの映画を楽しむには年をとりすぎていたし、子ども心を懐かしんでわくわくするには、わたしはまだまだ若すぎた。

後になって、彼のことをとても好きになったのはこの映画。もちろん、『グッド・モーニング・ベトナム』だって、『今を生きる』だって、『グッド・ウィル・ハンティング』だって好きだ。でも、借り物のぶかぶかの白いスーツの裾をホチキスで留めて、不器用に一歩を踏み出そうとするバリーの笑顔には、いつだって引き裂かれるような気持ちになる。今観たって、心がばらばら砕けそうになる。

さようなら。

こんなふうに、フィルがいなくなって、ロビンがいなくなって、それでもわたしは映画を好きでい続ける。いつまでも。好きでいることが、できるのかな?

少し前には思ってもみなかったことだけども、わたしは自分の親が死んだ年齢の半分を超えてしまった。わたしは、これからの人生で、出会いの数と、これまで出会ってきたものと別れる数と、どちらが多いのだろうか。

ときどき考える。