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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

角田光代、穂村弘『異性』、(そして不要な自分語り with alcohol)

本のはなし よしなし

誰よりもわたしをよく知っている友人から少し前に「絶対読んで」と勧められた。

異性 (河出文庫)

異性 (河出文庫)

 

 人が人に恋するには「隙」が必要であること。

がんばっていると思われるのが恥ずかしくて初デートにランニングを着て行ってしまう角田さんのこと。

友人はわたしが生きる上で、恋愛をする(もしくはしない)上で何がハードルなのかを十分に理解して、直接指摘することがはばかられるから、この本を勧めてきたのだろう。

何もかも痛いくらいわかる反面で、それでも角田さんは恋愛をして二度結婚していて、一方わたしは恋愛が苦手で一生結婚しないだろうなという、ちょっとした嫉妬なのかもしれない感情を味わう。結婚したいとは思わないし思ったことはないし今もできそうな気はしていない。でも「結婚したいと思う」「結婚できてしまう」メンタリティにときどき憧れ、劣等感を感じてしまう。

幼い頃、他人が怖くて母から離れて家から出ることができず、幼稚園にも通えなかった。でもいつからか強烈な人見知りと強烈な自我が奇妙なハーモニーを奏でるようになり、沈黙を恐れることと自己主張とがあいまって、よく喋るようになった。

そのうち適度に愛嬌を振りまくことも覚えて、でもたまに「君はすごく愛想がいいんだけど、ある一線を越えたら撃ち殺してくるでしょう」と見透かされて背筋が冷えたりもする。飲み会でさんざん笑って喋った後で、家に帰れば喋りすぎたと恐ろしくなる。わたしは他人からどう見られるかについて過剰すぎる自意識を持っていて、いつも恐怖に苛まれている。その恐怖は多分相手にも伝わってしまっているから、他人も同じようにわたしを恐れるんだろう。

まあ、自分語りは置いておいて、恋愛における自意識過剰や相手との距離の取り方に悩む人には、(参考になるかは別として)実に身につまされる本。100回くらい「そういうことあるよね」とうなずきたくなる本であることは間違いない。

不器用なあなたは、きっと読んだほうがいい。

わたしの場合は読んだところで何も解決しないけど、すっと楽になる人もいるのかもしれないと思う。