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メトロガール

あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?

合わない枕と悪い夢

枕が合わなくて夜中右や左や動き回るせいか、どうも夢見が悪い。昨晩はとりわけ「はっと目をさますほど恐ろしくはないけれど、何となく不安で不愉快な夢」に長時間うなされた。

姉と、親戚のEちゃんと、母と、母の友達がいた。東京に出張でやってきており、夜8時台の飛行機で帰る予定らしい。わたしは彼女らを食事に連れて行く約束をしているのだが、少し時間があるのでどこかの、というか多分新宿ルミネ内という設定の広い無印良品(しかし内装はむしろ「ダイソー」のような雰囲気だった)で買い物をした。

食事は「新宿ペペ」にあるという「再現料理(映画や小説などに出てきた料理を再現する)カフェ」に行く予定で、その店は2時間ほど並ぶ人気店という設定。飛行機のことを考えるとそろそろ店に行かないとまずいだろうと、ルミネを出る。が、エレベーターを降りて(それはルミネというよりはむしろ歓楽街の雑居ビルの、路地に面したエレベーターだった)外に出ると、わたしはひとりぼっちになっていた。どうも一行とはぐれてしまったらしい。

「ここはルミネだから、とりあえずペペまで歩けばいい」と考え歩き始めるが、歩いても歩いても西武新宿にたどり着かない。それどころか、思った方向に思ったものがなく、どうも方向感覚がおかしくなったようだ。

しばらくして「ここはもしや、わたしの思っているルミネとは違うルミネ(の店舗)だったのではないか」と思い当たる。慌ててグーグルマップを起動するが、電波の状態が悪いのか、ぎざぎざした半端な画像しか表示されず、自分の居場所がよくわからない。

気づけば場所の設定が「新宿」でなく「天神」になっている。目指していたのも「新宿ペペ」でなく「ソラリアステージ」の中の飲食店にすり替わっている。もちろん夢の中なのでそれを不思議だとは思わない。

相変わらずわたしは天神の端っこの方をうろうろするばかりで、どうにも中心部にたどり着けそうにない。歩いていると、どんどん薄暗く、きみの悪い場所に迷い込んでしまう。

気づけばさっきの「ルミネ(と思い込んでいた建物)」の前に戻っている。なぜかそこは新宿でも天神でもなくロンドンで、ロンドンでお世話になったMさんがわたしに「ここでは本格的な広島料理が食べられるんだよ」と教えてくれる。

とりあえず姉に連絡をとらないと。みんなは無事食事をしただろうか、そろそろ空港に着いているころだろうか。電話をかけようとするが、今度はiPhoneが壊れてしまったようで、すべてのアイコンが見たことのないものに変わっている。電話もLINEも見つからない。

歩いても目的地につかないならタクシーを拾えば良いという簡単なことを、ようやく思い立ち、大通り沿いで道路に手を挙げる。数台目で止まったタクシーのドアが開くと、後部座席で酔っ払ったサラリーマン男性が寝そべっている。「あのう、先客がいるようですが」というと「この人が相席でいいっていうから」と運転手。しかし寝そべった人間の上に座るわけにもいかないので(助手席には別の客が座っている)断る。次のタクシーに乗ったところで、なんとかタブレットで姉と連絡がついた。食事はすませ、今は空港にいるらしい。「携帯が壊れちゃって、アプリが全然使えない」と相談する。

タクシーは走り続けるが、目的地には着かない。

わたしはどこに向かっているのかもはやよくわかっていないし、ここが新宿なのか福岡なのかロンドンなのかももはやはっきりとはしない。

そこで目を覚まして、時計を見ると6時少し前だった。