メトロガール

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アウシュヴィッツ=ビルケナウ雑感

念願のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所博物館へ行ってきた。訪れないままでは死ねないと思っていた場所のひとつ。以前からそれなりに色々読んではいたが、ここ数ヶ月はひたすらショアー関係の書籍と映像を読みまくり見まくりこの日に臨んだ。

収容所は大きく分けると第一収容所(基幹収容所、アウシュヴィッツ)、第二収容所(ビルケナウ)、第三収容所(モノヴィッツ)に分かれるのだが、ツアーで回るのは第一収容所と第二収容所。

 

アウシュヴィッツの入り口には、かの有名な「働けば自由になる」。

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収容エリアの周囲に張り巡らされた鉄条網。電気が流れている。絶望した被収容者が「鉄条網に走る」(ここに突撃して自死すること)行為も実際にあったと読んだのは『夜と霧』だったか。

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クレマトリウム(ガス室と焼却場を一緒にした施設)で殺された人々が生前履いていた靴。靴の山の写真は書籍で見たことがあったが、一足一足をじっくり見ると、可愛らしいパンプスやサンダル、ブーツや子供靴など、持ち主の姿を否応なしに想像してしまう。ちなみに写真禁止エリアの「人毛の山」(被収容者から切り取られた数トンの毛髪)には立ちすくんだ。この日見た中で一番恐ろしいものだった。

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夏休みの時期なのでイスラエルの学生が引率されている姿が目立った。かつてユダヤ人に起こった悲劇と、現在のイスラエルという国と、国旗をまとってここに立つ若い彼らの姿。とにかく複雑な気分になってしまう。

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基幹収容所の建物は基本二階建て。居住棟には粗末な木造りの三段ベッドや、粗末な洗面室、圧倒的に数の足りないトイレなど。その他拷問エリア(コルベ神父の亡くなった房も残っている)や処刑場所(銃殺刑の行われた「死の壁」など)、また再現したものではあるが、クレマトリウムのガス室、焼却炉も見ることができた。

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ところどころに監視所。「止まれ」のマーク。逃走者が出ると同じ班の被収容者が連帯責任で処刑されることもあったようだ。

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無料シャトルバスで数キロ離れた第二収容所、ビルケナウへ。

ビルケナウといえば、正門から続く引き込み線。アウシュヴィッツと言われてまずこの光景を思い浮かべる人も多いのでは。

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破壊されたクレマトリウムの瓦礫。

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見た感じ、基幹収容所であるアウシュヴィッツよりも、ビルケナウの方が居住環境はより悪いように見える。アウシュヴィッツではコンクリート造りのしっかりした建物が並んでいたが、こちらはほとんどバラック状態で内装も家畜小屋のよう。収容所の拡張に当たってとにかく物資が足りず奔走したとルドルフ・ヘスが言っていたが、それにしてもという感じ。建設作業にはソ連人捕虜が主に従事したらしい。

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最後に、展望台から見たビルケナウ。

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往路は楽しくおしゃべりしながら言った車中。帰りは(たくさん歩いた疲れもあって)沈黙。

 

でもやっぱり、行ってよかった。